スナイダー上級研究員=(聯合ニュース)
スナイダー上級研究員=(聯合ニュース)
【ワシントン聯合ニュース】韓国軍の弾道ミサイル射程制限の延長を柱とする韓米ミサイル指針の改定合意に対し、北朝鮮が挑発行為を取る可能性が高まったと、米国の専門家らが指摘している。
 米シンクタンク、外交問題評議会(CFR)のスコット・スナイダー上級研究員は10日、CFRのウェブサイト上で、「韓国軍の弾道ミサイル能力の向上と、今月末に予定された(韓国の人工衛星搭載)ロケット打ち上げは、北朝鮮を不快にさせるだろう」とし、北朝鮮によるミサイル発射実験をあおる危険があると指摘した。
 今回のミサイル指針交渉は韓米の安保関係の劇的な変化を意味するとの見解も示した。同盟のパートナーとして、韓国が自国の安保に責任を持つことになるという。それはまた、「北朝鮮からすれば、朝鮮半島安定問題の主要な話し相手として米国ではなく韓国が浮上したという点で、望ましくないこと」と強調した。
 スナイダー氏は、韓米の合意は、北朝鮮の対応のほかにも、域内の軍備競争の触発やミサイル技術管理レジーム(MTCR)への挑戦などの懸念を生みかねないと指摘した。
 一方、北朝鮮が米国本土まで到達するミサイルを保有していると威嚇したことについては、「4月の『衛星』発射実験の失敗から推し量ると、これは修辞的な虚勢にすぎない」と判断した。
 ジェームズ・マーティン不拡散研究センターのジェフリー・ルイス研究員は米外交専門誌のフォーリンポリシー(FP)に寄せた文章の中で、韓国のミサイル射程制限延長の合意を、「北東アジアの安保力学関係を悪化させ、長距離ミサイル開発を加速させるだろう」と批判した。また、北朝鮮の一部が韓米合意を口実に攻撃的な政策を主張することは間違いない、と指摘した。

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