【ソウル聯合ニュース】韓国と米国が韓国軍の弾道ミサイル射程距離と弾頭重量を拡大し、無人爆撃機の開発を可能にすることで合意したことは、軍事的に大きな意味を持つ。
 韓国は7日、韓米ミサイル指針の改定により弾道ミサイルの射程距離を現行の300キロから800キロに延長し、射程距離550キロのミサイルは弾頭重量を1000キログラムに、300キロのミサイルは2000キログラムまで開発できるようになったと発表した。北朝鮮全域が射程圏に入る。無人飛行機(UAV)の重量は500キロから2500キログラムに拡大できることで合意した。
 ◇ミサイルの破壊力2~4倍へ
 今回の交渉結果により、韓国軍弾道ミサイルの弾頭重量の規制が事実上、解除された。韓国国防部によると、弾頭重量は破壊力に直結するため、韓国軍弾道ミサイルの破壊力は2~4倍強化されることになる。
 ただ、射程距離800キロのミサイルの弾頭重量が従来の500キログラムに制限されたことを問題視する声もある。これに対し、国防部関係者は「800キロ以上(離れた)北朝鮮地域には軍事的なターゲットがない。北朝鮮の短距離ミサイルの射程から離れた中部地域を基準にすると、北朝鮮全域は550キロ内にある」と説明した。
 別の国防部関係者は「弾頭重量は(事実上)無制限で研究・開発が可能になった」としながらも、「研究・開発実験に限られており、生産・配置はできない」と述べた。
 韓国軍の弾道ミサイルは移動型発射台で発射するため、どこでも北朝鮮のターゲットを攻撃できる。専門家らは、脅威となる北朝鮮のミサイル基地は韓国中部を基準に300キロ内に4~5か所、400キロ内に6~7か所、550内に9~10か所あるとみている。
 ◇射程800キロミサイルと弾頭の大気圏再突入技術確保へ
 射程距離が600キロ以上になると、弾頭が大気圏の外に出た後、再突入するため、関連技術の確保が可能になるとみられる。国防部関係者は「宇宙産業の発展にも貢献できる」と期待を示した。
 800キロまで弾道ミサイルが到達する時間は約15分にすぎず、迎撃が不可能なため、敵の基地に甚大な打撃を与えることができる。巡航(クルーズ)ミサイルは約70分がかかる。
 射程600キロ以上の弾道ミサイルは軍事的に特殊目的を遂行する特殊弾や多弾頭技術の確保にも寄与するとみられる。
 ◇重量2.5トンのUAV開発へ
 韓国軍は米国とのミサイル指針により、重量500キログラム以上のUAVは開発できなかった。重量500キログラムでは解像度の高い低高度無人偵察機も開発できないという。UAVに搭載される偵察カメラなどの重さだけでも約900キログラムに上るとされる。
 2500キログラムのUAVが開発できると、偵察装備以外に1000キログラム以上の兵器の搭載が可能になる。専門家は「朝鮮半島の作戦環境に適切なUAVの搭載重量は1000キログラムで十分。世界最高レベルの無人偵察機グローバルホーク(重量2250キログラム)と同じ水準の重量を持つUAVの開発が可能になったのは意味が大きい」と強調した。

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