【オスロ聯合ニュース】李明博(イ・ミョンバク)大統領がグリーンランド、ノルウェーの北欧訪問日程を終えた。
 12日にはノルウェーで首脳会談と共同記者会見を行った。会談では、ノルウェーのストルテンベルグ首相が掲げる極北政策と、李大統領が目指す北極開拓が注目された。
 ノルウェーの石油・ガスの保有、生産量は、ロシアを除くと欧州最大だ。韓国政府は、石油試掘船をはじめ特殊船に強いノルウェーとタンカーなど大型船技術が発達した韓国が協力すれば、相乗効果が得られると見込んでいる。両国は石油の共同備蓄事業も推進している。
 青瓦台(韓国大統領府)は、ノルウェーが北欧理事会加盟国として北極圏開発に相当な権益を持つ点にも着目している。
 李大統領は北極海航路の開拓にも力を入れた。同航路が開設されれば、釜山からロッテルダム(オランダ)までの距離は37%縮まり、航行日数も30日から20日に短縮され、経済的な効果は非常に高い。
 また、北極圏には世界の原油の13%、中国の40倍のレアアースのほか、金やダイヤモンド、プラチナなども大量に埋蔵されているとみられる。同地域への進出が成功すれば、資源に乏しい韓国にとって「新天地」となり得る。
 環境問題に関しても戦略的提携が可能だ。ノルウェーとグリーンランドは地球温暖化解決に向け再生可能エネルギー研究に取り組み、韓国は環境と経済活性化を両立させる「グリーン成長」を掲げているため。ノルウェーの場合、韓国が設立を主導した国際機関、グローバルグリーン成長研究所GGGI)の発足にも参加した。現地では、韓国が同地域に相当な重点を置き進出する可能性が少なくないとの見方がある。
 韓国と北欧が「平和」で連帯感を深め協力することにも期待が高まっている。李大統領はノルウェー滞在中にオスロ大学で、北東アジア平和と気候変動に関し国際的な協力を呼びかけた。
 デンマーク領であるグリーンランドでは、韓国首脳として初めて、氷の融解が急速に進む氷河地域を訪れた。気候変動の深刻さに警鐘を鳴らし、解決策作りを提言したものといえる。デンマークのフレデリック皇太子とグリーンランド自治政府のクーピク・クライスト首相とも会い、韓国・グリーンランドの協力策を模索した。
 李大統領の北欧訪問中に交わされた北極海航路開拓と資源開発に関する各種の覚書(MOU)は、韓国の同地進出に向けた布石となる。来年発足する韓国の新政権が北極圏開発の重要性をどのように認識し、この流れを引き継いでいくかが鍵になりそうだ。

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