【ソウル聯合ニュース】北朝鮮が日本、中国との関係強化に取り組む中、韓国は両国と外交摩擦を引き起こしており、朝鮮半島問題で役割を果たせないとの声が出ている。
 北朝鮮は友好国の中国と関係強化を図るとともに、日本とは関係改善に動き出している。米国とは最近、シンガポールで非公式に接触した。
 金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の最側近とされる張成沢(チャン・ソンテク)国防委員会副委員長は13日、大規模な代表団を率い、中国を訪問した。赤十字社協議に続き、日朝会談の再開に向けた調整が行われているとの話も流れている。
 一方、韓国は北朝鮮人権問題に取り組む活動家、金永煥(キム・ヨンファン)氏への拷問事件をめぐり、中国との関係が悪化している。また、李明博(イ・ミョンバク)大統領の独島訪問により、対日関係も冷え込んだ。
 こうした状況は南北間のチャンネルがなくなった中で起きている。韓国側が提案した離散家族の再会は北朝鮮の拒否で事実上、白紙に戻った。
 日本はこれまで対北朝鮮政策で、米朝関係や南北関係を考慮し、歩調を合わせてきた。だが、李大統領の独島訪問を受け、日本政府の立場が変わったとの観測が強まっている。
 韓国政府当局は独島問題による日本との外交摩擦が北朝鮮情報の共有などに影響していないと強調している。
 専門家らは南北関係が断絶した状況で北朝鮮が米国、中国、日本と接触を拡大しており、韓国が外交的に孤立する恐れがあると指摘する。北韓大学院大学の梁茂進(ヤン・ムジン)教授は「(朝鮮半島問題で)韓国が当事者ではなく、第三者に転落する可能性が大きい」との考えを示した。

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