【ソウル、東京聯合ニュース】東日本大震災で練習拠点を失った日本人選手が韓国に拠点を移して、ロンドン五輪出場権を獲得し、日本でも話題となっている。
 その主人公は、フェンシング、水泳、乗馬、コンバインド(マラソンとピストル)を1日でこなす「近代五種」の日本代表、黒須成美選手(20)。
 黒須選手は近代五種の世界大会に出場した経験がある父の影響で、中学2年の時から選手生活を始め、日本最強の選手に成長した。だが、昨年3月の東日本大震災で茨城県の自宅近くにある射撃と乗馬の練習場が使えなくなり、ロンドン五輪への夢も失われるピンチに陥った。
 黒須選手は19日、聯合ニュースの電話取材に対し「日本の近代五種の選手のうち、私だけが自衛隊員ではない。民間人が自衛隊の訓練場を利用することはできないので、非常に戸惑った」と当時を振り返った。
 日本での練習拠点を探せずにいいた黒須選手は、父の知人のパク・ジョンチル近代五種連盟釜山支部専務理事の計らいで昨年4月に練習拠点を釜山に移した。
 韓国での生活は容易ではなった。言葉が通じない場所で男子選手と共に練習をしなければならなかったからだ。一時は家に閉じこもり涙を流したこともあったが、練習に励んだ末、昨年のアジア選手権大会で6位に入り、ロンドン五輪出場権を獲得した。
 韓国語で会話ができるようになった黒須選手はその後さらに1年間、釜山ですごしながら練習に汗を流した。釜山での奮闘ぶりは先月日本のテレビ番組「情熱大陸」でも紹介された。
 ただ、黒須選手が話題を集めた一方で、パク専務理事には「韓国選手ではなく、なぜ日本の選手を助けるのか」と批判の目が向けられることもあった。
 パク専務理事は「韓国代表は男子が初のメダル獲得を、女子が上位入賞を狙っているが、黒須選手は2016年、または2020年の五輪に期待をかけなければならないほど実力に差がある」と説明し、韓日のマイナー競技の選手らの健闘を祈った。

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