【ワシントン聯合ニュース】国連安全保障理事会の北朝鮮制裁が一定の効果を上げているものの、北朝鮮の対外貿易拡大などで制裁履行が難航しているようだ。
 米カーネギー国際平和財団(CEIP)の研究員が4日に発表した報告書「北朝鮮の核貿易制裁評価」によると、北朝鮮の兵器輸出と大量破壊兵器(WMD)部品輸入は国連安保理の制裁により厳しくなった。北朝鮮船舶に対する国連加盟国の監視が強化された上、疑いのある船舶への追跡がリアルタイムで実施されるためと分析した。
 しかし、北朝鮮がこうした追跡と監視に対応し、軍事物資確保に向け、別のルートを模索。このため、国連の制裁が次第に難しくなってきたと指摘した。
 従来の船舶以外に航空貨物運送、外国船舶を利用した貨物積み替えなどを通じ、監視の目をくぐりぬけているほか、一部では合法的な貿易を装って取引を行っているという。
 報告書は「北朝鮮の対外貿易が増加し、加盟国は制裁を科すことが難しくなった」と説明している。実際に国連報告書によると、北朝鮮の輸出は2000年代初めに10億ドル(約800億円)にすぎなかったが、2008年に28億ドルに増え、輸入は同期間に18億ドルから41億ドルに急増した。
 一方、国連は加盟国を対象に安保理決議に対する違反事項を報告するよう義務付けているが、北朝鮮のWMD関連報告は1件もないと指摘。これらの事項に対する研究と調査が行われるべきだと報告書は勧告した。

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