【ソウル聯合ニュース】ソウル中央地検は2日、北朝鮮脱出住民(脱北者)を装い韓国入りした北朝鮮・国家安全保衛部所属の女性工作員を国家保安法違反の罪で起訴したと明らかにした。
 検察によると、女は金日成総合大学出身で、国家安全保衛部に抜てきされ、1998年ごろから3年間、平壌で工作教育を受けた。2001年ごろから中国・瀋陽で工作活動を行い、昨年、韓国に入国した。中国では韓国人留学生向けの民宿を運営し、工作資金を調達した。
 また、瀋陽や北京などで2001~2007年、北朝鮮で製造した57万ドル(約4500万円)相当の偽造100ドル札を中国の人民元に両替し、流通したという。女は外貨獲得に寄与したとして、2度の昇進と勲章を受けたという。
 2003年ごろには米中央情報局(CIA)関係者と推定される在米韓国人への接近を命じられ、中国で約5か月間にわたり同氏に接触したという。
 韓国情報機関の国家情報院は女が脱北者に偽装し、韓国に入ったとの情報を入手、数か月間にわたり内偵を進め、5月に女を摘発した。
 検察はこのところ、北朝鮮の工作員が工作拠点を自由に移動し、活動するケースが増えていると説明した。また、北朝鮮が「苦難の行軍」と呼ばれる1990年代の深刻な食糧難を経験してから外貨稼ぎに工作員を動員し、組織的に偽造100ドル札を流通させたことが確認されたとした。

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