【ソウル聯合ニュース】7月1日で韓国と世界最大経済圏の欧州連合(EU)との自由貿易協定(FTA)が発効してから1年。各種の貿易関連統計を見る限り、韓国が期待していたほどのFTA効果は出ていないことが分かった。一方で、これをユーロ圏の危機が響いたものだとし、今後を楽観視する意見もある。
 韓国政府の統計によると、昨年7月1日から今年6月15日までに韓国のEU向け輸出は前年同期比12.1%減少した。これに対しEU製品の輸入は13.5%増加した。特にかばんや履物、時計などの消費財が大きく伸びた。韓国の貿易黒字は18億ドル(約1429億円)と、前年同期の12.9%にとどまる。
 専門家らは対EU輸出と貿易黒字の縮小を、2008年のリーマン・ショック後の欧州危機によるものと分析する。EU諸国の輸入が萎縮しただけでFTA協定そのものは問題がなく、欧州の景気が回復すれば韓国の対EU輸出も増加するとの見方が優勢だ。
 こうした楽観論の根拠として、FTA発効後に関税撤廃などの恩恵を受ける品目の輸出が拡大している点が挙げられる。政府によると、これら品目は20.2%増加したという。自動車が38.0%、自動車部品が15.8%増加したほか、ポリエステルや眼鏡フレーム、アクセサリーなどの成長が目立つ。
 政府はまた、外国人投資の誘致にもプラス影響を及ぼしたとの見解を示している。FTA発効後の11か月間で誘致額は37億7000万ドルと、前年同期比35%増加した。特に工場の新設など雇用創出に絡む投資が42%伸びた。
 一方、政府系シンクタンク10機関は、FTA発効が韓国経済の実質国内総生産(GDP)を向こう10年間で最大5.6%押し上げると推計した。

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