【ソウル聯合ニュース】北朝鮮が6月3日から8日まで、朝鮮少年団創立66周年を祝う大規模な行事を平壌で開催し、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記への忠誠心を誘導する計画だ。
 朝鮮中央通信は30日、「今回の祝賀行事には全土の道・市・郡から推薦された2万人の朝鮮少年団代表が参加する」と紹介した。朝鮮中央放送と平壌放送も同日、「金正恩同志の大海のような温情の中で設けられた祝賀行事を前に、少年団代表が平壌に到着している」と伝えた。
 北朝鮮の子どもたちは通常、8歳になると朝鮮少年団に義務的に入団し、加入宣誓で最高指導者に対する忠誠を誓う。14~15歳になると自動的に金日成(キム・イルソン)社会主義青年同盟に加入する。
 北朝鮮は毎年、故金正日(キム・ジョンイル)総書記の誕生日(2月16日)や故金日成主席の誕生日(4月15日)などの記念日に、朝鮮少年団の全国連合団体大会を開き入団式を行っているが、6月の創立祝賀行事はその規模と意味合いが明らかに異なる。北朝鮮脱出住民(脱北者)らは、金主席が死亡直前に出席した1994年6月6日の朝鮮少年団第5回大会を連想させると口をそろえる。
 今回の祝賀行事に出席する子どもたちは、錦繍山太陽宮殿や万景台の金主席生家など平壌市内の主要名所をめぐり 音楽会や朝鮮少年団全国連合団体大会、全国学生少年芸術所組員による総合公演などに参加する。朝鮮中央通信によると、少年団代表の移動手段である列車や飛行機、船などをはじめ、宿泊や食事、遊園地や動物園などの準備も整ったという。金正恩体制の初年に、金第1書記の「人徳政治」を印象付け、一般住民の歓心を得るための政治的なイベントといえる。
 ある脱北者は、「少年団は北朝鮮住民が人生で初めて経験する組織で、北朝鮮当局はこれを青年同盟に劣らず重視している。今回の行事は、正恩氏が自分に一生忠誠を誓う少年の気持ちをつかむために行う大規模な世代共感プロジェクト」と評した。また、北朝鮮では子どもを持つ数が減っている分、子どものへの愛着も強まっており、こうした親の歓心を誘導し、金正恩体制の大衆的な基盤固めにつなげる意図もあると分析した。

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