【ソウル聯合ニュース】田植えのシーズンを迎えた北朝鮮が50年ぶりとなる日照りに見舞われている。金正恩(キム・ジョンウン)第1書記は食糧増産のために農業の重要性を強調しているが、異常気象が凶作につながる場合、体制を揺るがしかねない。
 北朝鮮メディアはこのところ、連日のように日照りの被害状況と対策について報道している。朝鮮労働党機関紙の労働新聞は27日付で、全国各地で田植えが始まったと報じた上で、日照り被害を防ぐために必死に闘争していると伝えた。同紙は25日付で、深刻な日照りが続きトウモロコシの植え付けや田植えに被害が出ており、植え付けが終わった小麦やジャガイモなどにも影響が出ていると伝えている。
 26日に朝鮮中央通信は政府が日照り被害防止のための緊急対策を立てた上で、ため池などの補習を実施し、日照りの被害が深刻な地域から水を供給している伝えた。
 朝鮮中央テレビは24日、日照り被害の防止策を報じた。農業省の局長が登場し、土を掘ってからトウモロコシなどに水をやるなどの方法を紹介した。
 北朝鮮の報道や気象当局は、西海岸地方で続いている日照りを「50年ぶりの現象」とし、日照りの被害が全国的に起こっていると発表している。
 朝鮮中央通信によると、4月26日から西海岸地方では雨がほとんど降っておらず、土壌湿度は約60%という非常に低い状態だという。もし月末まで雨が降らなければ、5月の西海岸地方の降水量は1962年以来の少量となり、日照り被害はさらに悪化するとしている。
 同通信は21日に日照りの原因について、北部の冷たい空気が南下しない状態が続いている上、暑くて乾燥した空気が入り込んでいるためと報じた。また、6月中旬まで高温現象と日照りが続くとした。最近の干害用貯水池の平均貯水率は55.4%で、中には0.5%にすぎない貯水池もあると伝えた。
 こうした中、朝鮮中央通信は北朝鮮の崔永林(チェ・ヨンリム)首相が26日に黄海南道の農場を視察し、農業労働者を激励したと伝えた。
 北朝鮮の農業に詳しい韓国農村経済研究院の専門家は、春に異常低温に見舞われたのに続き、日照りの被害を受けた北朝鮮の二毛作の作況は期待に達しないと予想した。

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