北京とソウルの複数の消息筋によると、両国は昨年末、中国の東北3省(遼寧、吉林、黒龍江)と羅先の共同発展に向けた羅先特区基盤施設建設契約を結んだ。
中国は2020年までに第1段階として羅津港に7万トン規模の4号埠頭、旅客機と貨物機の離着陸が可能な飛行場、吉林省図們と羅先を結ぶ鉄道の建設に30億ドルを投資するという。
契約は北朝鮮の外資誘致の窓口となっている朝鮮合営投資委員会と中国政府との間で締結されたが、双方とも契約内容は公開していない。消息筋によると、契約は金正日(キム・ジョンイル)総書記死去の前後に行われた。
中国は第1段階投資の終了後、羅先の5、6号埠頭の建設を始める計画という。
中国は政府レベルの北朝鮮投資は不可能との姿勢を示してきたが、金総書記が2010~2011年、中国を4回訪問したことなどから、方針を転換したとみられる。
北朝鮮は新義州と丹東の間に位置する黄金坪への大規模な投資を期待したが、中国は東北3省の物流問題を解決できる羅先特区の開発を求めたという。
東北3省は豆満江下流が北朝鮮とロシアの共同水域になっており、物流コストがかかる大連港と丹東港を利用している。このため、中国政府は数年来、羅津港などの開放によって東北3省を振興させる計画を進めてきた。2008年には羅津港の1号埠頭の使用権を取得。補修と拡張工事を行い、荷役能力を年間100万トンに拡大した。
ただ、今回の契約は不公正との声や、羅先が中国経済圏に編入されるとの懸念も出ている。
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