【ソウル聯合ニュース】米朝対話をめぐる北朝鮮側の沈黙が予想より長引いている。故金正日(キム・ジョンイル)総書記の追悼期間が終わり次第、米国との対話に応じるとみられたが、まだ「明確なシグナル」を送っていない。
 韓国政府の当局は8日、「米朝間の非公式対話窓口のニューヨークチャンネルがあるが、米朝対話の再開と関連した平壌の反応はまだない。北朝鮮側のシグナルを待っている」と伝えた。
 北朝鮮核問題をめぐる6カ国協議の再開問題は年初から進展があると期待されただけに、関連国は北朝鮮の「本音」把握に神経をとがらせている。
 平壌から反応がないことと関連しては、さまざまな分析がある。
 まず、北朝鮮の後継指導者、金正恩(キム・ジョンウン)氏が対外活動を本格化するには時期尚早だとする観測だ。公式追悼期間は終了したが、依然哀悼ムードが続く中、米国と直接対話に乗り出すのはあまりよくないとの判断だ。
 金正恩政権としては内部結束と国内問題がより重要で、対外戦略を点検する余裕がない側面がある。また、米朝対話や6カ国協議の方向性をめぐり内部対立があるとの見方もある。
 一方で、高度な戦略的政策を展開しているとの分析も少なくない。米朝は金総書記死去前に、北朝鮮が非核化事前措置の履行に同意し、米国は24万トンの栄養支援を行う「大きな取引」に事実上、合意した。
 しかし、金総書記死去後に北朝鮮が戦略を修正した可能性がある。朝鮮半島の安定管理を図ろうとする関連国の対北朝鮮政策基調を利用し、「栄養支援」を超えたより大規模な支援を引き出すのが狙いで、「時間稼ぎ」をしているとの指摘だ。
 大きな流れでは米朝ともに対話の必要性を認識しており、米朝対話の実施そのものは「時間の問題」とみられる。ただ、米朝間でこうした神経戦が行われているなら、実現するのは予想より遅れる可能性がある。
 韓米両国は北朝鮮側にボールが渡っていることを明確にし、戦略的に北朝鮮側の反応を待ち続けている。北朝鮮が金総書記死去前の状況に戻り、非核化事前措置履行に同意し、対話テーブルに出るよう誘導する戦略だ。
 これらの流れから3回目の米朝対話は今月末か来月始めに行われる可能性が大きいとみられる。

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