【ソウル聯合ニュース】韓国でエリート中のエリート集団とされる韓国銀行(中央銀行)の入行試験が変化していることが話題になっている。経済の知識を問うだけでなく、自身の価値観や一般常識を問う論文試験に大きなウエートを置くようになった。
 来年入行する志願者の試験は400点満点。このうち200点が論文試験だ。論文試験は2種類で、一つは国際経済や為替など専門的な知識についてのものだが、もう一つはこれまでにはなかったもの。文字制限なしに、「家族観と結婚観、世代間の違いについて論ぜよ」というものだった。
 韓国銀行にとっては異例で、試験の行方を大きく左右する配点(100点)を持つ論文の出題。受験生が面食らった試験の出題には、金仲秀(キム・ジュンス)総裁の意向が大きく反映されている。
 金総裁は文学や歴史、哲学を重んじることで知られる。また、朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長が無党派層や若年層の支持を得て市長選で当選した現象について考えたり、韓米自由貿易協定(FTA)を取り巻く混乱について「他人事と考えてはいけない」と時事に関心が強い。また、世界各地で起こる格差是正のデモについて周囲に意見を問うなど、物価・金融の番人たる韓国銀行行員が世間からかい離し、庶民の思いや生活に無感覚になってはならないと考えているようだ。
 今回の試験も経済だけでなく、いろいろなジャンルの問題や個人の感覚を問う問題で受験生たちをふるいにかけた。韓国銀行は、有能な高卒者や障害者に対する特別選抜制度も検討している。

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