【ソウル聯合ニュース】サムスン電子が28日に発表した7~9月期連結決算は、売上高が前年同期比2.6%増の41兆2700億ウォン(約2兆8386億円)、営業利益が同12.6%減の4兆2500億ウォンになった。営業利益率は10.3%。
 1~9月の売上高は117兆7000億ウォンとなり前年同期比で4.4%増、営業利益は10兆9500億ウォンと23.3%減となった。
 7~9月期の営業利益はアナリストらが予想した3兆2000億ウォン~3兆5000億ウォンより約1兆ウォン多く、サムスン電子が今月初めに発表した暫定値(4兆2000億ウォン)を500億ウォン上回っている。
 世界的な景気低迷でパソコンやテレビなどIT・家電製品市場が落ち込み、部品となる半導体、液晶パネル(LCD)の価格が原価を下回っている。さらにスマートフォン(多機能携帯電話)、タブレット端末の競争が激化し、世界の企業の大半が業績不振に陥っているが、サムスン電子の業績は好調を維持した。
 営業利益率が今年初めて10%を超えたのは、スマートフォン「ギャラクシー」シリーズの販売台数が急増したためとみられる。
 部門別にみると、通信部門はスマートフォンと携帯電話の販売台数が前期比20%以上増え、いずれも過去最高となった。売上高は14兆9000億ウォン、営業利益は2兆5200億ウォン。営業利益率は16.9%となり、半導体部門の営業利益を初めて上回った。
 とりわけ、スマートフォンは「ギャラクシーS2」の本格的な世界販売と、普及型モデルの販売拡大で、前年同期比300%増の高成長を達成した。
 半導体部門はDRAM価格が低迷しているなかで、システムLSI(大規模集積回路)などの好調により、売上高9兆4800億ウォン、営業利益1兆5900億ウォンとなった。
 ディスプレーパネル部門は需要が予想を下回った影響で、売上高は7兆800億ウォン、900億ウォンの営業損失となった。
 テレビ、冷蔵庫、洗濯機など生活家電を含むデジタルメディア&アプライアンス(DM&A)部門は売上高14兆3600億ウォン、営業利益2400億ウォンとなった。
 サムスン電子は「世界トップレベルの部品競争力を基に完成品の販売を拡大し、これを通じ部品の需要を高める相乗効果が出ている」と説明。モバイル機器に搭載されるスマートソリューションとディスプレー技術が今後、テレビなどの生活家電にも採用され、相乗効果はさらに拡大すると見込んでいる。
 7~9月期の設備投資は4兆9000億ウォンで、1~9月の投資額は計16兆ウォンとなった。
 サムスン電子はメモリー半導体分野で20ナノ(ナノは10億分の1)工程を拡大し、次世代記憶装置「SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)」などで製品を多様化する方針だ。システムLSIはAP(アプリケーションプロセッサ)、イメージセンサーなどモバイル機器部品の供給を増やす。ディスプレーパネルの場合、OLED(有機発光ダイオード)は後発組との差を広げ、LCD事業は歩留まりやライン効率性の向上、原価削減などで競争力を高める考えだ。
 通信部門ではグーグル最新の基本ソフト(OS)「アンドロイド」4.0を世界初で搭載したスマートフォン「ギャラクシー・ネクサス」と5.3インチの大画面を取り入れた「ギャラクシー・ノート」の販売を強化し、第4世代(4G)移動通信システム「ロングタームエボリューション(LTE)」は主要市場を中心に新製品の発売を拡大する。
 テレビなど生活家電も主要市場でスマートプレミアム製品のマーケティングを強化し、新興市場では地域に特化したモデルや普及型モデルを投入し、売上高拡大と収益性の改善に注力する計画だ。

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