【ソウル聯合ニュース】胚性幹細胞(ES細胞)に関する論文をねつ造した黄禹錫(ファン・ウソク)博士が率いるスアム生命工学研究院は28日、黄博士のチームがソウル大学在籍当時に作成したヒト胚性幹細胞(1番幹細胞、NT―1)について、カナダ特許庁から特許を取得したと明らかにした。
 NT―1幹細胞は黄博士のチームが作成したと発表したヒトES細胞の中で唯一確認された幹細胞。ソウル大学調査委員会は、この幹細胞は(卵子が受精せずに自ら生殖する)処女生殖で偶然にできたものと公式に発表したが、黄博士のチームは世界初の体細胞核移植による幹細胞だとの主張を曲げなかった。
 今回の特許には、体細胞核移植によってES細胞を作る方法と、ES細胞として確認されたNT―1幹細胞を特許として認定するという内容が含まれている。
 発明者として、黄元教授やソウル大学の李柄千(イ・ビョンチョン)教授ら当時のソウル大学研究チーム15人が名を連ねる。
 黄博士のチームと共同研究を進めている忠北大学のヒョン・サンファン教授は、「研究チームが同時に特許を出願した10カ国の中で、唯一カナダで特許証を受け取った」と話した。豪州で特許登録決定後に取り消された経験を踏まえ、特許証が発行されるまでは公表しなかったという。
 ただ、カナダ以外の国では特許登録は容易ではないとみられる。豪州と中国、日本、ロシアでは初めから拒否され、韓国や米国などでは発明者側の異議申し立てが受理されたが、反発する世論も少なくない。
 ヒョン教授は、「ソウル大学調査委員会が偶然にできたと発表したNT―1幹細胞の特許権がカナダで認定された意味は大きい」と評価した。

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