【ソウル聯合ニュース】カナダでの牛海綿状脳症(BSE)発生を受け2003年5月に全面禁止されたカナダ産牛肉の輸入が、早ければ年末に、約8年ぶりに再開される見通しだ。
 農林水産食品部は28日、韓国とカナダが2007年11月から進めてきたカナダ産牛肉輸入衛生条件(案)について合意したと明らかにした。
 両国は輸入衛生条件について、月齢30か月未満の骨を含む牛肉に限り輸入を許可するとした。ただ、特定危険部位(SRM)だけでなくハンバーガー用パティのように単純に挽き肉加工した製品、十二指腸から直腸まで内臓全体、月齢30か月未満の牛の脳、目、頭部の骨、脊髄などは輸入を認めない。
 カナダは米国と同様にBSEステータスが「管理されたリスク」の国だが、消費者の懸念を考慮し、米国産牛肉よりも輸入衛生条件を厳格にしたとの説明だ。
 カナダの輸出肉類加工場の指定については、韓国側が現地点検などを通じ直接承認することにした。カナダで新たにBSEが発生した場合は、まず検疫中断措置を取った後、国民の健康と安全に対する危害が確認されれば輸入を中断するとした。
 現在進められている世界貿易機関(WTO)のカナダ産牛肉輸入をめぐる紛争解決パネル(小委員会)による審査については、韓国が輸入衛生条件案を官報に掲載し行政予告すれば、即時にカナダがパネル手順中止を要請することにした。輸入再開が実質的に実現すれば、カナダが撤回を求める。韓国政府は来月25日ごろ国会にカナダ産牛肉輸入衛生条件案の審議を要請し、国会審議が終われば官報に掲載する方針だ。
 農林水産食品部は、カナダ政府は12月31日までにすべての手順が完了し牛肉輸入が再開されることを期待しており、韓国政府としても期限内に輸入が再開できるよう努力することにしたと説明した。
 ただ、最近は口蹄疫(こうていえき)の影響で韓牛(韓国在来種のウシ)の価格が暴落しているうえ、来月1日の韓国・欧州連合(EU)間自由貿易協定(FTA)発効、今後の韓米FTA批准と発効で、韓国畜産業の打撃が予想されるなかでのカナダ産牛肉輸入再開には、畜産農家の反発が予想される。
 また、カナダではことし2月に18件目のBSEが発生しており、BSEが現在進行形にあることに消費者からの反発も可能性がある。
 カナダ産牛肉は2002年に輸入が中断されるまでは1万2000トン(3100万ドル、約23億円相当)が輸入され、全輸入量の4%を占めていた。

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