【ソウル20日聯合ニュース】現役の韓国陸軍将校から入手した軍事機密を北朝鮮の工作員に渡した容疑で起訴された元韓国情報機関職員の公判で、証人として出廷した元記者が、韓国軍の現役将校4人が十数年前に北朝鮮に拉致されたと聞いたことがあると証言したことが分かった。
 ソウル高等裁判所が20日に明らかにしたところによると、北朝鮮を専門としていたこの元記者は、19日に開かれた公判に出廷。弁護士が「韓国軍合同参謀本部の中領(中佐)1人が1999年に中国国境で北朝鮮に拉致され、また大領(大佐)3人も拉致または逮捕されたことを知っているか」と質問すると、「そうだ」と答えた。
 被告の元情報機関職員は、2003年3月に北朝鮮作戦部(現・偵察総局)工作員から依頼を受け、同年9月から2005年8月にかけ、韓米連合指令部の「作戦計画5027」や軍事教範資料などを入手し、同工作員に渡した疑いで起訴された。1審では懲役7年が言い渡された。
 被告側は、北朝鮮は拉致した韓国軍人を介し2000年代の初めに「作戦計画5027」を入手し、2004年にその事実を公開したと主張している。
 証言した元記者は20日、聯合ニュースの電話取材に対し「当時、そのような情報を聞いたことがあると話しただけで、情報の内容が事実かどうかを証言したのではない」と述べた。国益を考慮すると報道できる内容ではないと判断し、情報に対する裏付け取材を行わなかったと説明。拉致に関する情報を入手した経緯についても、明らかにできないとした。

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