昨年10月に朝鮮労働党創立65周年を迎え、平壌で開かれた記念式に出席した金総書記(左)と正恩氏(資料写真)=(聯合ニュース)
昨年10月に朝鮮労働党創立65周年を迎え、平壌で開かれた記念式に出席した金総書記(左)と正恩氏(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル20日聯合ニュース】韓国政府当局者らは20日、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の後継者で三男の正恩(ジョンウン)氏が訪中したことについて、状況を注視しながらも、拡大解釈しないようにとの態度を示している。
 正恩氏の訪中は昨年9月、朝鮮労働党代表者会で党中央軍事委員会副委員長に就任し、事実上のナンバー2として浮上してから初の公式訪問となるが、具体的な目的があるというよりは、後継体制を固める狙いがあるとの見方が多い。韓国政府当局者は正恩氏の訪中について、「国内外に自分が後継者であることをアピールする意図がある」と分析した。
 北朝鮮内部の権力基盤が弱い正恩氏が後継者として地位を固めるためには、政治・経済的な影響力が大きい中国から権力継承に関する「お墨付き」をもらうのが欠かせない。また、北朝鮮と中国が代を継いで協力していくことを国内外に誇示したい狙いもあるという。
 一部では正恩氏の訪中を前に、両国が事前協議を行った可能性が高く、中国の次期最高指導者とされる習近平国家副主席と会談する可能性を示している。だが、正恩氏の年齢や権力継承に対する国際社会の批判などを考慮した場合、中国から満足できる待遇を受けるのは難しいとの意見もある。
 また、正恩氏の訪中が朝鮮半島情勢や南北関係に与える影響に大きくないとの見通しも示されている。ただ、別の当局者は訪中の目的が後継者としての地位を固めることにあるのなら、中国から食糧支援のような明確な成果がなければ、北朝鮮住民にアピールできないと指摘する。

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