【ソウル19日聯合ニュース】韓国の政府系シンクタンク、韓国開発研究院(KDI)は19日に公表した報告書で、同国の現在の潜在成長率を4.3%程度と見込んだ。
 潜在成長率とは資本や労働など生産要素をすべて使用した場合に達成できる成長率をいう。
 KDIの見通しは高齢化による長期的な人口構造の変化などを考慮した場合、2010年代の韓国の潜在成長率は4%台序盤に低下するとの従来の分析と一致する。
 2001~2007年の韓国の潜在成長率は4%台半ばで推移したが、2008年秋の金融危機以降4%台序盤まで落ち込んでいる。KDIは金融危機による影響が大きくなかったのは、国内の金融システムに直接的な打撃を与えなかったためと分析した。
 KDIはその根拠として、銀行の不良債権が昨年末基準で24兆5000億ウォン(約1兆8408億円)で、総与信額の1.86%にすぎず、金融危機の際の一般的な目安となる総与信の10%超に比べ低水準となっていることを挙げた。また、金融部門で健全性を保ったのが潜在成長率に与えるマイナス影響を解消するのに大きく貢献したと評価した。
 KDIは潜在成長率水準の安定的な経済成長を目指すべきと指摘している。潜在成長率を上回る経済成長率の達成に政策目標を設定する場合、物価安定と財政健全性の維持に大きなリスクになる。韓国政府はことしの成長率目標をKDIの潜在成長率よりやや高い5%前後に設定している。
 KDIは韓国経済の2011~2012年の成長率は年4.3%前後になると予測した。潜在成長率より高い水準の経済成長を目指すと、マクロ経済の安定性を損ねる懸念があるため、慎重にアプローチする必要があると指摘した。

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