フリー終了後、ほっとした表情を見せる金妍児=30日、モスクワ(聯合ニュース)
フリー終了後、ほっとした表情を見せる金妍児=30日、モスクワ(聯合ニュース)
【モスクワ1日聯合ニュース】金妍児(キム・ヨナ)にとって今シーズン最初で最後の実戦となった世界選手権大会が幕を閉じた。
 13か月ぶりに実戦舞台に戻ってきたバンクーバー五輪金メダリストはブランクに対する不安を乗り越え善戦したが、あと一歩及ばず準優勝で大会を終えた。だが、「今回の銀メダルはこれまでに獲得したメダルとは意味が異なる」と満足感を示した。

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◇「ほっとしている」
 金妍児は1日、大会後に世界選手権の舞台となったモスクワで韓国メディアとインタビューを行い、前回の世界選手権以来、13か月ぶりの復帰戦について語った。逆転を許して金メダルは逃したものの、結果には満足していると話を切り出した。
 「6か月間、世界選手権だけに集中してきた。すべてが終わり、ほっとしている。ミスもあったし、練習のようにできなかったが、満足している」
 今大会は新しいプログラムを披露する場だっただけに、結果にこだわるより、良い演技で評価されることが目標だったという。何より、五輪での達成感を乗り越え、再び銀盤に立つ動機を見つけたことから、今回の銀メダルは特別な意味があると強調した。
 昨年の五輪後に現役続行を決めてからも気持ちは揺れ続けた。「なぜここでこんなことをしているのか」「何をやっているのか」と何度も悩んだ。フィジカル的にはそれほど問題はなかったが、メンタル面でモチベーションを保つことが難しかったと打ち明ける。
 「(2位という結果は)ここまでやってきたことに対する賞ではないだろうか。金メダルではないが、銀メダルでも銅メダルでもやるべきことをやったことに対する賞」と自評した。

◇新しい環境で重圧に打ち勝つ
 金妍児はバンクーバー五輪後にブライアン・オーサーコーチと決別し、ピーター・オペガード氏を新たなパートナーに迎え入れた。新しい環境と新しいコーチ、また新しい人たちと一緒にやったことが、重圧を乗り越えて練習できることに役立ったと振り返る。「実戦の結果がよくなければ、(決断が)批判されると心配したが、安定した気持ちで練習に取り組むことに役立った」と説明した。
◇スケートのこと忘れて旅したい
 昨年2月の冬季五輪後、必ずしてみたいと思った旅行に出かけられずにいる。今後、旅行をするなら再びパリに行ってみたいという。「スケートのことは忘れて行く。アイスリンクの周辺にも行かない」と笑う。
 今月半ばには国際オリンピック委員会(IOC)のイベントが開催されるスイス・ローザンヌを、7月には南アフリカ・ダーバンを訪れる。2018年冬季五輪招致に名乗りを上げている江原道・平昌を応援するためだ。2国とも初めて行くが、時間があれば楽しめるだけ楽しみたいと話す。
◇今後の計画は「未定」
 今後の計画については、「まだ考えていない」と即答を避けた。ただ、「次のシーズンだからといって気持ちが楽になるとは思わない。状況をみないと分からないが、心理的な葛藤(かっとう)を避けるのは難しそうだ」と述べ、引退と現役続行のはざまで悩んでいることを示唆した。
 バンクーバー五輪後に金妍児は「選手生活を続けるなら、現在の実力を維持できるとの考えからで、そうでなければ、競技のたびにストレスがたまるだろう」と話したことがある。今回のインタビューでも「当時の悩みをまだ抱えている」と語った。

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