【ソウル29日聯合ニュース】韓国外交通商部の金星煥(キム・ソンファン)長官は29日、中央日報と米国の研究機関・戦略国際問題研究所(CSIS)が共催したフォーラムで、「北朝鮮が本当に南北関係の改善を望むなら、南北対話に対する誠意ある姿勢を先にみせるべきだ」と述べた。 
 金長官は北朝鮮がこのところ、中国と北朝鮮の国境にある白頭山(中国名:長白山)の噴火に備えた南北の専門家会議など、両国間の非政治的懸案と関連した協議の提案やカーター元米大統領ら欧米の元首脳の招待などを通じ、対話姿勢を鮮明にしていることに言及。「まだ南北関係の改善に向けた意志はみえない」との考えを示した。
 その上で、北朝鮮は何よりも韓国海軍哨戒艦「天安」沈没事件と延坪島砲撃に対し、韓国国民が納得できる責任ある姿勢を示すべきだと強調した。
 非核化に関しては、具体的な措置を通じ、国際社会からの信頼を回復することが重要だと指摘。ウラン濃縮問題も6カ国協議で議論される前に、国際社会が国連の安全保障理事会決議などに反することを明確にする必要があると説明した。
 また、金長官は北朝鮮の態度変化に向けた対話と制裁を並行する方針を維持すると述べた。
 食糧問題については、「核兵器とミサイル開発などを通じて軍事大国を目指している北朝鮮の食糧問題を貧困国と同様にみることはできない」と述べ、慎重に進めたいとの考えを示した。北朝鮮の食糧問題は災害のような不可避な要因ではなく、非効率的な農業システムや食糧の配分という慢性的で構造的な問題と指摘した。北朝鮮は食糧問題を2~3億ドル(約163~245億円)で解決できるが、核とミサイル開発などに毎年4~5億ドルを投資し、国際社会には食糧支援を要請していると批判した。
 北朝鮮の後継体制に対しては、「後継作業を急いでいないようにみえる。金正日(キム・ジョンイル)総書記の健康が多少良くなったことと関係があるようだ」と述べた。

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