返還対象は全冊が宮内庁に所蔵されている。同書物はいずれも日本の植民地時代だった1905年から1945年までに、朝鮮総督府を中心とした権力機関によって強制的に持ち出されたことが明らかになっている。
図書別でみると、朝鮮王室儀軌類が81種・167冊で、奎章閣(朝鮮時代に歴代の王の書画などを保管した官庁)にあった書物66種・938冊、「増補文献備考」(上古時代から朝鮮時代までの制度や文物をまとめた書物)2種・99冊、「大典会通」(朝鮮時代に編さんした法典)1種・1冊となっている。
このうち、朝鮮王室儀軌類は朝鮮総督府が1922年、宮内庁に寄贈した80種・163冊と宮内庁が購入した1種・4冊によって構成されている。ここには海外に持ち出された文化財の返還に取り組んでいる韓国の民間団体「朝鮮王室儀軌還収委員会」が返還を求めていた儀軌も含められた。
返還予定の書物のうち、朝鮮王室儀軌類以外は韓国統監府の初代統監、伊藤博文が持ち出したものとされる。
朝鮮王室儀軌をめぐっては、菅直人首相が昨年8月に韓日併合100年に際しての談話で返還を表明。同年11月には両国首脳が朝鮮王室儀軌など文化財の返還に合意していた。
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