韓日原子力専門家会議に出席した藤家洋一氏(右端から2番目)=19日、大田(聯合ニュース)
韓日原子力専門家会議に出席した藤家洋一氏(右端から2番目)=19日、大田(聯合ニュース)
【大田19日聯合ニュース】韓国科学技術院(KAIST)で開かれた韓日原子力専門家会議に出席した藤家洋一前原子力委員長(東京工業大学名誉教授)は19日に会見し、東日本大地震で被災した福島第1原子力発電所の事故で流出した放射性物質の影響は、日本国内でもわずかな水準にとどまるとの見方を示した。
 事故直後、すぐに福島原発から20キロメートル以内に居住する住民を避難させるなどの措置が取られており、今までに日本国内で放射能による被害の報告もなく、今後も放射性物質の人体への影響は少ないだろうと述べた。
 これについてKAIST原子力・量子工学科の張舜興(チャン・スンフン)教授は、流出した放射性物質はすでに広く拡散し濃度が落ちており、また人体に影響する物質の半減期が短いためだと説明を付け加えた。
 また藤家氏は、福島原発と韓国の古里原発の稼働延長問題について、安全に作動するにもかからわらず使用年限が過ぎたことを理由に廃炉にするのは問題だと指摘。安全性を徹底的に検査すれば、寿命を延長しても何も問題はないとの考えを示した。
 東京電力に36年間勤め、柏崎刈羽原発所長も務めた出澤正人氏も、「原発の安全に関するマニュアルは旧式であれ新式であれ同じだ」と述べた。
 韓日原子力専門家の会議は18日から2日間開催された。出席者らは、韓国と日本だけでなく中国の原発安全問題などについても点検するため、3カ国専門家会議を設けることで合意した。
 張教授は「政府が主導する公式チャンネルは堅いが、学者など専門家の非公式チャンネルでは自由に情報と意見を交換することができ、より有意義なものになるはずだ」と述べた。今回の韓日会議でも、それぞれが思うところを自由に明かすことができたと評した。
 また韓日専門家らは、原子力はエネルギー安保と環境保全の次元で大変重要なエネルギーだとし、原発と使用済み核燃料の安全性強化の必要性、ナトリウム冷却高速炉など第4世代の原子炉と核燃料周期システム開発の重要性で認識を同じくした。

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