江原道・江陵の港で行われた津波退避訓練のようす=15日、江陵(聯合ニュース)
江原道・江陵の港で行われた津波退避訓練のようす=15日、江陵(聯合ニュース)
【ソウル15日聯合ニュース】大震災と原子力発電所の爆発という決して対岸の火事ではない出来事が日本を襲った衝撃が韓国にも広がるなか、15日午後、全国でいつも以上に真摯(しんし)な雰囲気のなか、民防衛訓練(民間人による軍事避難訓練)が実施された。
 訓練には、全国で軍177台、警察220台、消防390台、救急車108台、その他177台の車両計1072台、警察官2万人、軍2000人、消防隊員2000人が動員された。政府は現場対応能力と国民の意識向上のため、市街地で非常車線を確保し、軍、警察、消防車両合同の機動訓練を実施した。
 日本の地震の衝撃が及ぶ懸念のある江原道、慶尚北道、蔚山市など東南海岸部12の市・郡では、津波に備える訓練を行った。これら地域は当初、家畜伝染病・口蹄疫(こうていえき)感染を懸念し、訓練に参加しない予定だった。

 ソウルでは、中心部の光化門、鍾路で、軍のNBC(核・生物・化学兵器)偵察車、徐毒車、指揮ジープ型車両、救急車、消防車などが合同軌道訓練を行った。ソウル市の中心を流れる漢江にかかる漢南大橋では、放射能汚染に対応するため、徐毒車や散水車などを投入し、徐毒訓練を実施した。
 日本の震災で韓国でも意識が高まったためか、今回の民防衛訓練には多くの市民が参加した。消防防災庁関係者は、自動車専用道路などを除き全国の道路の95%で非常車線を確保できたと伝えた。また、「いつもなら訓練せいで飛行機に乗り遅れた、タクシー代がかかったという抗議の電話などが殺到するところだが、きょうは1通の電話もない」と話した。
 ただ、いわゆる「安全不感症」の姿は、依然、至るところで見られた。光化門付近では、地下に退避せず歩道を歩いている市民や、機動車両が広場周辺を走行するなか、横断歩道を渡ろうとして警察官に止められる市民などの姿があった。
 民間企業も一部では非常階段などを利用し地下に退避したが、相当数が通常業務を行っていた。テヘラン路にオフィスがある30代の市民は「サイレンの音が外から聞こえてきたが、特に指針は出ておらず、皆いつも通りだった」と話した。
mazi38@yna.co.kr
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