【ソウル28日聯合ニュース】サムスン電子は28日、昨年1~12月の連結決算を前年比13.4%増の売上高154兆6300億ウォン(11兆4900億円)、営業利益を58.3%増の17兆3000億ウォンと発表した。
 年間売上高で150兆ウォン、営業利益で15兆ウォンを突破したのはこれが初めて。売上高を米ドル換算すると約1380億ドル。崔志成(チェ・ジソン)社長は年初に「数年内に年間売上高2000億ドルを達成する」と述べており、実現の可能性が高まった。また、同社は2020年までに4000億ドル達成の目標も掲げている。
 昨年の業績好調は、世界的な景気低迷によるIT需要の鈍化、メーカー間競争の激化という苦しい経営環境の中でも、半導体と携帯電話の主力事業が差別化された競争力を維持し、市場での主導権を確保したことによる。
 半導体部門は、高機能携帯電話(スマートフォン)とタブレット端末の好調、米マイクロソトの新OS(基本ソフト)「ウインドウズ7(セブン)」発売によるメモリーとシステムLSI需要の増加、原価競争力向上の努力などで、過去最大の売上高37兆6400億ウォン、営業利益10兆1100億ウォンを記録した。
 携帯電話など情報通信部門も、「ギャラクシーS」を中心にスマートフォンが好調ななか、フルタッチパネル携帯電話も販売を伸ばし、市場シェアを拡大。売上高41兆2000億ウォン、営業利益4兆3000億ウォンの好業績で、2けたの営業利益率(10.4%)を計上した。
 液晶パネルは下半期(7~12月)の価格下落で苦境となったが、発光ダイオード(LED)バックライト搭載製品、3D(三次元)映像対応製品などの積極的な販売と技術リーダーシップを追い風に、売上高29兆9200億ウォン、営業利益1兆9900億ウォンを計上。業界トップレベルの収益性を維持した。
 デジタルメディア(テレビなど)部門は、LEDバックライト搭載テレビ、3Dテレビの本格的な普及とサッカー・ワールドカップの特需を受け、「5年連続テレビ世界1位」の座を維持した。フラットテレビは3921万台という販売記録をマークした。ただ、市場競争の激化で営業利益は4900億ウォンにとどまった。
 一方、昨年10~12月期の売上高は前年同月比7.0%増加の41兆8700億ウォン、営業利益は同12.0%減少の3兆100億ウォンだった。下半期の半導体と液晶パネルの市況悪化のなか、半導体メモリーのDRAMが原価を下回る水準の1ドル未満まで取引価格が落ち込んだことが影響した。テレビ向け液晶パネルの価格も、昨年4月から下落が続き、12月に暴落している。
 サムスン電子関係者は「昨年は世界的な景気低迷のなかでも、先を進む技術力と市場での主導権確保で過去最大の業績を収めることができた」と評価した。半導体、液晶パネル市況はことし上半期(1~6月)から好転するものと期待していると述べた。
 一方、同社はことし、半導体に10兆3000億ウォン(メモリー5兆8000億ウォン、システムLSI4兆2000億ウォン)、液晶パネルに4兆1000億ウォン、表面実装部品(SMD)に5兆4000億ウォン、計23兆ウォンの施設投資を行う計画だ。

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