会談する大韓赤十字社の金竜賢事務総長(左)と北朝鮮の崔成益副委員長(共同取材団撮影)=26日、開城(聯合ニュース)
会談する大韓赤十字社の金竜賢事務総長(左)と北朝鮮の崔成益副委員長(共同取材団撮影)=26日、開城(聯合ニュース)
【開城26日聯合ニュース】開城で26日に始まった南北赤十字会談で、北朝鮮側は韓国が要求した離散家族再会の定例化を金剛山観光再開、人道的協力事業と関連付ける姿勢を示したようだ。
 会談関係者によると、北朝鮮代表団の団長を務める崔成益(チェ・ソンイク)朝鮮赤十字会中央委員会副委員長は午前の全体会議基調演説で、「離散家族再会事業を正常に進めるには、金剛山(離散家族)面会所など南(韓国)側施設を正常に運営する措置が先行されねばならない」と主張。金剛山観光の再開に関する南北当局間の実務会談を至急開催すべきだと韓国側に迫った。
 韓国側が要求した離散家族再会行事の定例化については、ソル(旧正月)や秋夕(中秋節)などの祝日を基本に、1年に3~4回、それぞれ100人規模で実施し、画像を通しての再会やビデオレターの交換も並行していこうと提案した。南北の間で必要なことは助け合う、人道主義的な協力事業を活性化しようとも呼びかけたという。
 北朝鮮は午後に行われた南北の団長と代表による会談でも、離散家族再会の定例化と併せ、あらゆる人道主義事業を活発に行うべきだと重ねて強調した。
 韓国側の会談関係者は、対北朝鮮支援に関して北朝鮮からさまざまな要請があったと説明。具体的な言及は避けながらも、「過去の赤十字会談で医薬品支援、病院の近代化などさまざまな人道的事業が協議されたが、今回もその範囲を脱していない」と述べ、北朝鮮が政府レベルの大規模なコメ・肥料支援を求めた可能性をほのめかした。
 韓国側は、来年3月から南北各100家族ずつ、毎月1回定期的な再会行事を行うことを要求した。以前に再会を果たした離散家族も、南北各50家族ずつ、毎月再面会を行うことを提案した。また、12月から毎月南北各5000人ずつ生死・住所確認を行うほか、80歳以上の高齢者を対象に、来年4月から故郷訪問事業を実施することも求めた。北朝鮮拉致被害者や韓国軍捕虜問題についても重要性を強調し、解決に向けた全面的な生死確認を要請した。
 北朝鮮が金剛山観光と人道的協力事業を離散家族再会の定例化と絡めたことに対し、韓国側は午後の会談で、年3~4回の再会では足りないと訴え、離散家族再会は人道主義的観点から無条件で実施せねばならず、金剛山観光と結び付けてはならないと強調したという。会談は27日まで続けられる。
 金剛山観光は、2008年7月に同地で発生した韓国人観光客射殺事件を受け、韓国政府の決定で中断された。北朝鮮側は観光の再開などを求め、ことし4月に離散家族面会所、消防署、文化会館など韓国政府と韓国観光公社が所有する金剛山地区内の不動産を没収・凍結する措置を取った。

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