【ソウル14日聯合ニュース】格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは14日、韓国の信用格付け「A1」に対する見通し(アウトルック)を「安定的(ステイブル)」で据え置くと明らかにした。
 シニアバイスプレジデントのトーマス・バーン氏は、アジア太平洋諸国の信用格付け見通しに関する報告書で、韓国の経済力を「very high」、制度的部門は「high」、政府財政能力についても「high」と評価した。ただ、リスク部門では北朝鮮の軍事的、経済的、財政的リスクを指摘し、5段階のうち中間に当たる「moderate」とした。
 韓国の国内総生産(GDP)に対する予算赤字の比率はことし0%にとどまったが、今回の評価対象国平均は3.9%に達していると指摘した。対GDPの負債比率も韓国は32.9%で、平均の43.7%を大きく下回っている。
 韓国政府が公共部門の負債を持ちこたえることは可能で、財政的に可能な水準まで抑制し経済成長勢と制度的強みを維持すれば、信用格付けの上方調整もあり得るとの見方を示した。その上で、それには北朝鮮の地政学的・財政的リスクを統制することがやはり必要だと指摘した。
 ただ、韓国の対外貸借対照表(バランスシート)が急激に長期的悪化を示したり、公共部門財政が急激に弱まった場合、北朝鮮が最近の挑発のレベルを超える軍事的攻撃を行った場合、または北朝鮮政権が崩壊し混とん状態に陥った場合などには、格付けを下方修正する可能性があるとした。
 このほかムーディーズは、サムスン電子、現代自動車、ポスコなど韓国企業は全般的にアジア地域の競合社に比べ、市場シェアを上げるなど善戦していると評価した。7~9月期の韓国内評価対象企業のうち、格付け見通しが安定的な企業は88%、否定的な企業は10%で、昨年の65%と33%に比べ大きく改善された。

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