【ワシントン8日聯合ニュース】故金日成(キム・イルソン)主席、金正日(キム・ジョンイル)総書記、正恩(ジョンウン)氏と続く北朝鮮の「3代権力世襲」体制の構築が進むなか、韓米安保協議会(SCM)の共同声明に、北朝鮮の「不安定事態」との文言が初めて明記された。
 国防部の金泰栄(キム・テヨン)長官とゲーツ米国防長官は米ワシントンで8日に第42回韓米安保協議会を行い、シャープ韓米連合司令官から「(北朝鮮の)いかなる挑発、不安定事態、侵略にも効果的に対応する準備を備えている」との報告を受けた。「不安定事態」とは、北朝鮮の急変事態を指している。
 これと関連し、両長官は協議会で、北朝鮮の脅威や戦略の変化に総合的に対応できる新たな作戦計画(作戦計画5015)の発展に向けた「戦略企画指針」に署名し、韓米の合同参謀本部議長による協議体、軍事委員会にこれを通知した。軍事委員会はこれを具体化し作戦計画の作成に関する「戦略企画指示」を整え、合同参謀本部と連合司令部が詳細な作戦計画を作成する。
 戦略企画指針は、非対称脅威を含めた北朝鮮による脅威の変化、局地的な挑発、全面戦争など、広範囲な脅威に総合的に対応するため、現行の作戦計画5027やこれに代わる新作戦計画5015などを統合したもの。既存の連合防衛体制と、韓米連合軍司令官から韓国軍への有事作戦統制権移管(2015年12月)後の連合防衛体制の両方に適用される。
 両長官はまた、北朝鮮の核と大量破壊兵器(WMD)の脅威に備えた政策を発展させるため、局長クラスを共同委員長とする「拡張抑制(抑止)政策委員会」を新設し、来年からの常時稼動を推進することで合意した。年に2~3回ほど定期的に会議を開く予定だ。
 委員会では、米国が「核の傘」、通常の打撃戦力、ミサイル防衛(MD)を韓国に提供する拡大抑止公約の実効性を周期的に評価する。拡大抑止の手段に対する情報共有を深め、「核の傘」提供に関する内容を重点的に議論し、必要に応じて拡大抑止に関する通常(非核)戦力の提供も議論する、協力メカニズムの意味合いを持つ。年内に実務会議が開かれる同委員会は、当面は独立して運営されるが、将来的にSCMの分科委員会への格上げを進める計画だ。協議内容は2か月に1回開かれる韓米安保政策構想(SPI)会議で報告される。
 金長官とゲーツ長官は、2015年に延期された有事作戦統制権の移管に向け、履行文書となる「戦略同盟2015」にも署名した。文書には、有事作戦統制権の移管と同時に進める在韓米軍再配置、休戦管理の調整、戦略文書の整備といった推進計画も含まれている。
 米国側はこれと関連し、韓国軍が2015年以降、完全な自主防衛力を備えるまでこれを補い、韓米同盟が続く限り戦略情報や「核の傘」を提供することを約束した。
 両長官はこのほか、来月ソウルで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)を必ず成功させるべきとの認識で一致し、北朝鮮の監視、テロへの備えなどで連携を強化することにした。
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