【ソウル21日聯合ニュース】北朝鮮の対韓国機関「祖国平和統一委員会」が運営するウェブサイト「わが民族同士」は21日の論評で、先ごろハンナラ党の金武星(キム・ムソン)院内代表が「北朝鮮は戦争備蓄米100万トンを保有している」と発言したことに対し、「せっかくの北南(南北)関係改善の雰囲気に冷や水を浴びせ同族間の対決を鼓吹しようという大変不純な謀略」だと非難した。南北関係をゆがめ、人道主義事業を不可能にし、対決局面を維持しようというのが、韓国側の心根だと主張した。
 内外世論の圧力に勝てずやむを得ず提供したごくわずかな水害救援物資さえ、「透明性」だの「軍事専用」だのと文句をつけており見苦しいと指摘した。
 また、北朝鮮側が先月に拿捕(だほ)した韓国漁船「55デスン」の船員らを今月上旬に帰還させ、秋夕(中秋節、22日)を機に南北離散家族の再会を進める提案をしたにもかかわらず、「最小限の礼儀すら守ることができない無礼非道なやからと向かい合い、人道主義事業の論議を続ける必要があるのか」と述べ、人道主義協力事業を冒とくすることは反人倫的な野蛮な行為で、決して受け入れることはできないと主張した。
 金院内代表は16日の議員総会で、北朝鮮が戦争備蓄米として100万トンのコメを保有していることを確認したと発言。これについて、聯合ニュースの電話取材で「北朝鮮は支援を受けたコメはまず軍用米とし、それまで備蓄していたコメを放出している」と説明した。金院内代表の発言は、韓国が支援したコメが軍用米に転用されていたとの指摘を裏付けるものとして注目された。
 一方、民主党の朴智元(パク・チウォン)非常対策委員会代表は21日に出演したラジオ番組で、金院内代表の「北朝鮮戦争備蓄米説」と関連し、北朝鮮も一定量の軍量米を保有しているだろうとしたうえで、韓国が支援したコメではないとの見方を示した。韓国が提供したのは精米したコメのため、1年以上保管することができないとの説明だ。コメについて少しでも知識があれば、3年前に送ったコメを軍用米として備蓄するのは不可能だと分かるはずだと指摘した。

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