【ソウル31日聯合ニュース】ソウル市が観光事業の強化を図るため2008年1月に設立した公企業「ソウル観光マーケティング」が、赤字続きとなっている。このため市は31日、同社の事業計画の見直しに着手すると明らかにした。
 ソウル観光マーケティングは、「韓国訪問の年、ソウルとともに」など同市の観光事業を代行している。資本金207億7100万ウォン(約14億円)のうち、ソウル市が48.1%に当たる100億ウォンを出資。ロッテ観光、COEX(韓国総合展示場)、ハナツアー、大韓航空、アシアナ航空など民間会社も参加している。
 ソウル観光マーケティングは設立初年度に20億8900万ウォンの赤字を計上し、昨年も18億3100万ウォンの損失を出した。当初は、ことしを損益分岐点に来年の黒字転換を目標としていたが、ことし上半期(1~6月)にも利益を出せなかった。さらに、免税店やカジノ設立、シティツアーバスなど同社が当初構想していた収益事業はこれといった進展がみられず、新たな収益源を創出しなければならない状況だ。
 漢南大橋、楊花大橋の展望カフェや漢江屋外プール(トゥクソム、汝矣島)の運営、キムチアカデミーの開設などで収益を増やしていく計画だが、確実な収益源とするには力不足だというのが、ソウル市の判断だ。
 市はこのため、中低価格の小規模観光ホテル事業を含め、ソウル観光マーケティングが構想中の新規事業の妥当性や投資優先順位を分析し、再調整を図ることにした。また、市の観光マーケティング専門機関として、同社に適した組織形態と公益性強化を実現する運営方法に切り替えていく考えだ。
 ソウル市の崔伉ド(チェ・ハンド)競争力強化本部長は、ソウル観光マーケティングの株式会社形態を変更する計画はないとしたうえで、「市の事業代行で損益は合わせられるが、確実な収益源が必要なだけに、全般的な見直しが必要だ」と説明した。

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