【ソウル30日聯合ニュース】格安航空会社の運航開始から、31日で5年を迎える。韓国初の格安航空会社・韓星航空の就航以降、済州航空、ジンエアー、エア釜山、イースター航空の4社が誕生。資金難で運休中の韓星航空もこのほど「ティーウェイ航空(T’way Air)」に社名を変更し、事業再開を準備している。国内線を中心に航空交通の大衆化をけん引してきた格安航空会社は、国際舞台への跳躍を始めた。
 2005年8月、韓星航空が清州~済州線を初運航し、韓国に格安航空会社時代が到来したことを告げた。欧米や東南アジアなどではすでに格安航空会社が定着しており、世界的な流れに比べると、韓国は非常に立ち遅れていた。韓国では韓星航空に続き、済州航空が2006年6月に済州~金浦線を就航。その後、大手航空会社の参入で、ようやく格安航空会社ブームが起きた。
 大韓航空が100%出資したジンエアーが2008年7月に金浦~済州線の運航を開始し、アシアナ航空や釜山市、地元企業が出資したエア釜山も同年10月、釜山~金浦線の就航で格安航空市場に参入した。翌年1月には群山に基盤を置くイースター航空が金浦~済州線の運航を開始した。
 しかし、未熟な運営による経営難や頻発する安全問題で、国民に背を向けられることもあった。韓星航空は就航3年目の2008年10月に経営難で運休した。同年7月に嶺南(慶尚道)を基盤に設立された嶺南エアーも、2か月で運航を中断した。航空運送事業免許は取得したものの登録基準を満たせず、結局就航できなかった会社や、社名だけで姿を見せず消えた会社もある。
 格安航空会社の国際線就航はいまだ本格軌道に乗っていないが、国内線の輸送分担率は大手航空会社の脅威になるほど成長している。
 格安航空会社の国内線輸送分担率は2005年には0.1%にすぎなかったが、済州航空が参入した2006年に2.2%、翌2007年には6.5%まで拡大した。2008年はジンエアーとエア釜山の登場で9.7%に、2009年はイースター航空の就航とともに格安航空会社が安定し、27.4%まで急騰した。ことし7月基準では34.0%と、国内線利用客の3人に1人が格安航空を利用するまでになった。
 国際線は、済州航空が運航開始から2年目の2008年7月、日本人観光客180人を乗せ広島から済州までチャーター便を運航。格安航空会社で初めて国際線に就航した。その後は、国内線運航2年以上という政府の国際線運航規制がなくなり、格安航空会社が相次ぎ国際線に飛び込んだ。
済州航空は昨年3月に仁川~大阪線、仁川~北九州線を就航したのを皮切りに、仁川~バンコク線、金浦~大阪線、金浦~名古屋線の計5便を定期運航している。ジンエアーは仁川~バンコク線、仁川~マカオ線の2便を運航中だ。エア釜山もこの春、釜山~福岡線、大阪線を就航。イースター航空も不定期便を運航しながら、定期便を準備中だ。
 各社ともに業績は毎年向上している。就航5年目の済州航空は営業損失から抜け出せずにいるが、ことし上半期(1~6月)に664億ウォンの売上高を計上し、前年同期比81.3%の売上高増加率を記録した。下半期には初の営業利益計上、年間売上高1500億ウォン達成が予測される。ジンエアーとエア釜山はことし上半期、それぞれ21億ウォンと20億ウォンの営業利益を出し、就航から2年余りで黒字経営に入った。
 格安航空会社の国際線運航本格化で、大手航空会社はもちろん、海外格安航空会社との競争も不可欠となった。
 済州航空は10月中に仁川~マニラ線、釜山~セブ線、仁川~香港線を運航する計画だ。エア釜山も12月にフィリピン線、香港線の就航を準備している。ジンエアも仁川~フィリピン線、仁川~マカオ線、済州~上海線を運航する。
 一方、アジア最大の格安航空会社エアアジア(マレーシア)は11月から、仁川~クアラルンプール線に就航する。タイのオリエンタルタイ航空もはすでに仁川~バンコク線を運航中だ。日本の参入も警戒の対象だ。全日本空輸は先ごろ、2011年までに格安航空会社を設立する計画を明らかにした。国際線は韓国や中国などアジア路線を中心に就航すると予想され、韓国の格安航空会社と競争することになるのは必至だ。
 国土海洋部関係者は、韓国格安航空会社はこの5年間である程度定着に成功したと評価した。今後の海外格安航空会社との競争で生き残るためには、社員の生産性向上、会社運営の効率性向上を実現する「低コスト・高効率」構造が必要になると助言した。

Copyright 2010(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0