【東京6日聯合ニュース】日本の名門大学・立教大学にことし、詩人・尹東柱(ユン・ドンジュ)がかつて在学したことを記念する韓国人留学生向け奨学金「尹東柱国際交流奨学金」が設立された。このほど対象者4人が集まり、彼らは「尹東柱の奨学金を受け取ったと家族や友だちに自慢しました」と語った。
 尹東柱は、1941年に延禧専門学校(現在の延世大学)を卒業後、翌1942年4月に立教大学英文科に留学し、6か月間在学。同年10月に同志社大学に転校した。1943年にハングルで詩を書いた理由で当局に治安維持法違反容疑で逮捕され、1945年2月に福岡刑務所で獄死した。立教大在学中には5編の詩を残している。

 奨学金は、立教大の教職員と卒業生で構成された「詩人尹東柱を記念する立教の会」が尹東柱をたたえ設立した。各学部1人ずつ計8人に、1年間で60万円を支給する。留学生の年間授業料(48万8000~67万9000円)とほぼ同額だ。同大学に在籍する留学生は約500人、このうち半分ほどが韓国人留学生で、奨学金対象者となることは韓国人留学生の成績最優秀者の証拠となり、喜びもひとしおだ。

 経済学部国際経営学科2年のチョン・インヘさん(21)は、2001年に東京・JR新大久保駅でホームから転落した人を救おうとして命を落とした韓国人留学生、李秀賢(イ・スヒョン)さんをたたえ設立された基金の支援で来日したことがある。「大学では尹東柱奨学金を受けることになり、何かの縁を感じる」と話した。

 現代心理学部映像身体学科3年のキム・ハナさん(25)は「韓国語を教えるアルバイトをしているが、わたしが受ける奨学金について説明するためにも、詩を1回でも多く読むようになった」という。

 彼らの夢は、韓国と日本の交流に貢献することだ。経済学部経済学科2年のイム・サンヒョンさん(24)は、日本の金融システムの長所を韓国で活かしたいという夢を語った。異文化コミュニケーション学部同学科のヒョン・ソヨンさん(23)さんは、ジャーナリストを目指している。

 キム・ハナさんは「1年に8人の尹東柱奨学生が生まれる。いつか尹東柱奨学生の集まりを作りたい」と話した。 68年前、尹東柱が短い時間を過ごした日本の大学で、彼の詩のように「死ぬ日まで天を仰ぎ一点の恥なきことを」願う後輩たちの心が少しずつ成長している。


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