【ソウル3日聯合ニュース】第5回統一地方選挙の広域団体首長(市長・道知事)選は、3日午前の最終開票の結果、与党ハンナラ党がソウル市・京畿道と、「首都圏ビッグ3」のうち2か所で辛勝するなど苦戦を強いられた。一方、最大野党民主党は仁川市をはじめとする7か所で勝利する躍進を見せた。
 ソウル市長選は予想とは異なり、現職のハンナラ党呉世勲(オ・セフン)候補が民主党の韓明淑(ハン・ミョンスク)候補と3日朝まで大接戦を繰り広げ、結果、呉候補が辛くも勝利した。ハンナラ党は、票田の慶尚南道と江原道、世宗特別自治市問題で注目を浴びた忠清圏をいずれも野党に明け渡し、6か所の勝利にとどまった。
 自由先進党は大田での1勝にとどまり、慶尚南道、済州道は無所属候補の勝利となった。
 基礎自治体(市・郡・自治区)首長選の228選挙区でも、民主党が91か所で勝利したのに対し、ハンナラ党は83か所にとどまった。無所属が36か所を席巻、自由先進党が13か所で勝利を手にした。民主労働党は3か所、国民中心連合と未来連合は各1か所での勝利。
 また、民主党はソウル市の25区長のうち、21か所で当選した。4年前の地方選で25か所の勝利を収めたハンナラ党は、江南圏3か所と江北圏4か所の当選にとどまった。
 16か所の教育監選では、ソウル市、京畿道をはじめ6か所で進歩系候補が当選した。残る10か所は保守系が勝利または優勢と出ている。
 李明博(イ・ミョンバク)政権の折り返し点で行われた今回の地方選で、与党は当初、50%に迫る大統領支持率と、北朝鮮の攻撃で海軍哨戒艦「天安」が沈没した事件をめぐる「北風」などに後押しされての圧勝を期待していた。しかし、民心はハンナラ党の独走をけん制。国政運営後半への支障は免れない見通しだ。
 首都圏ビッグ3、ソウル市長選は、ハンナラ党の呉候補(得票率47.5%)が民主党の韓候補(46.8%)を抑えた。京畿道知事選は、ハンナラ党の金文洙(キム・ムンス)候補(52・3%)が野党一本化の国民参与党柳時敏(ユ・シミン)候補(47.7%)に、仁川市長選は民主党の宋永吉(ソン・ヨンギル)候補(53.0%)がハンナラ党の安相洙(アン・サンス)候補(44.1%)に勝利した。
  忠清圏では、忠清北道で民主党候補がハンナラ党候補を制し、忠清南道は民主党候補が自由先進党候補に勝利した。大田市長選は自由先進党の廉弘チョル(ヨム・ホンチョル)候補(46.7%)がハンナラ党の朴城孝(パク・ソンヒョ)候補(28.5%)に圧勝した。
 接戦となった江原道選は、民主党候補が勝利。やはり接戦となった慶尚南道は無所属候補の勝利となった。済州道知事は、無所属の禹瑾敏(ウ・グンミン)候補(41.4%)がもう1人の無所属、玄明官(ヒョン・ミョングァン)候補(40.6%)を制し当選した。
 嶺南圏は、大邱市長選の金範鎰(キム・ボムイル)候補、釜山市長選の許南植(ホ・ナムシク)候補をはじめ、慶尚北道知事選、蔚山市長選もハンナラ党候補が勝利を確定し、票田を守った。湖南圏は光州市長の姜雲太(カン・ウンテ)候補をはじめ全羅北・南道ともに民主党候補の勝利となった。
 民主党の躍進を受け、李明博(イ・ミョンバク)大統領の任期後半、政局が大幅に変わることになりそうだ。
 与党は世宗市計画修正問題、4大河川再整備事業、憲法改正など現政権の後半力点課題推進において、民主党はじめ野党勢力と一定部分の妥結が避けられないと予想される。特に、忠清圏の民心が与党に背を向けたことが明らかになっただけに、世宗市計画の修正を進めることは困難になりそうだ。
 李大統領がこの選挙の結果確認された「けん制と均衡」の要求という民心をくみ取り、国政運営方法に変化を与えるかも注目される。改革をはじめとする与党全体の引責、国政刷新の有無にも関心が集まる。ハンナラ党の鄭夢準(チョン・モンジュン)代表は3日朝、辞意を表明した。7月初旬開催予定の党大会を前に党内覇権争いの渦が予想され、与党の政治構図にも変化が生じると思われる。
 一方、野党側はこの躍進を足がかりに、2年半後の大統領選挙に向かう意味ある道を築いたと評価される。陣頭指揮を取った民主党の丁世均(チョン・セギュン)代表は、6月の党大会で再信任を得て、次期大統領選挙候補の1人に名乗りを挙げると目される。
 故盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領派陣営は、16広域団体首長選のうち3か所で勝利を収め、勢力化に成功した。政局の1軸として浮上したことで、その破壊力が注目される。

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