以下は一問一答。
――銀行税問題は4月にワシントンで行われた前回会議で協議された主要議題の1つだが、各国の意見が鋭く対立し、いつ、どのように導入するか、突破口を見つけられずにいる。同問題に対するオーストラリア政府の見解は何か。
「オーストラリアは金融規制に対するG20の議題を推進する準備ができている。G20は、国際銀行システムが今後数年内に自立できるよう確実にする責任がある。しかし、すべての国で、同じ方式で危機が展開されなかった点を記憶することも重要だ。G20で協力を続けていくべきだが、各国は国際的合意を自国の国内状況に合わせていかなければならない。オーストラリアの金融システムはほかの先進国のような激変がなかったため、銀行税導入の措置が必要とは考えていない」
――金融危機をもたらした背景の一つに国際格付け会社の責任論が出ている。格付け会社が役割を十分に果たしていると考えているのか。もし、そう考えていないなら、国際格付け会社は役割を果たすためどのようにすればよいか。
「格付け会社に効果的な規制が必要であることに、われわれはG20メンバー国と意見を同じくする。オーストラリアはことし初めに格付け会社を対象とした新しい許可体系を導入した。市場参加者が金融リスクを独自に判断し、格付け会社が提供する情報をうのみにしないことも重要だ」
――ギリシャなど一部欧州国の財政危機が、最近発表された救済策で短時間内に解決できるとみているか。現時点で財政危機に陥った国に対するオーストラリアの意見は。
「ほかのG20メンバー国とともに、南欧財政危機解決に向け発表された救済策を歓迎する。欧州諸国は公共負債を減らし、財政を健全化するため、信頼できる計画を発展させていくことが重要だ。南欧諸国の競争力低下問題も解決されるべきだ。財政健全化と構造改革に対する協議がG20会議の主要テーマになると思う」
――以前、G20代表らは出口戦略を実施する際に国際共助を推進すると合意していた。欧州財政危機を含む最近の経済状況を考慮した出口戦略の時期と方法は。また、G20が依然、出口戦略を推進しながら国際共助を続けられると考えているか。
「経済回復の速度がそれぞれ異なるのは、G20メンバー国が出口戦略を同時に実施することもなければ、そのようにできないことを意味する。出口戦略は各国の経済環境により異なってくる。しかし、G20は一貫性を拡大し、国境を越え拡散する波及効果を解決するために協力することは可能だ。その例としてG20の『強く、持続可能で均衡の取れた成長』を目標とするフレームワークを挙げることができる。これは先進国が財政健全化を推進するなかで、各国が世界経済の成長を継続的に支援するため、構造改革案などの政策を緊密に調整しようとする意味が込められている」
――G20は危機以降、経済協力と相互協議のできる最高の場となっているが、一部からはG20の役割に疑問を呈する声も聞かれる。G20の未来をどのように考えているか。
「昨年、G20の協力は金融市場を安定させ、世界経済不況の脅威に対処する上で主要な役割を果たした。ことし、われわれは経済回復の障害物を乗り越えるために共に努力すべきだ。金融規制の強化、国際金融システムの改革などの従来の約束を守り続けなければならない。G20が継続して世界経済に役立つ結果を出せば、G20には明るい未来があり、重要な役割も引き続き与えられるはずだ」
――世界経済が早い回復にかかわらず、「二番底」に陥ると懸念する声もある。最近の世界経済の流れに対し、どのように評価するか。
「われわれは欧州の財政危機に対し、注視している。オーストラリアは欧州連合（EU）加盟国が問題解決のため協力することを歓迎する。一方、世界のほかの地域からは成長見通しに対する明るい話を聞いている。G20は今後、世界経済の下方リスクを克服し、経済成長をけん引し、均衡の取れた成長を追求する政策を展開していくべきだ」
――G20議長国としての韓国の活動をどのように評価するか。また、役割は何か。最後に韓国経済の総評もお願いしたい。
「ことしG20議長国として韓国はアジア地域に対する関心を巻き起こすだろう。とりわけ、アジア地域の強力な経済成長見通しに焦点が集まるはずだ。韓国は先進国と新興市場国の観点をうまく理解し、共通の立場を導き出す役割が可能な位置にある。韓国は、議長国を努めたことしと、その後も強力かつ効果的なリーダーシップを発揮できると信じている。韓国経済はアジア金融危機以降に施行した数多くの改革措置や大規模な景気浮揚策、強力な消費活性化などを追い風に、世界金融危機に耐えてきた。また、朝鮮戦争以降、韓国経済の急速な発展は、経済成長の結果が人々を幸せにする力を強く示している」
Copyright 2010(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0
