【ソウル20日聯合ニュース】政府は20日、韓国海軍哨戒艦「天安」沈没は北朝鮮の軍事挑発だとする民間・軍合同調査団の調査結果発表を受け、外交安保関連官庁を中心に強力な対応措置の検討に着手した。
 政府は、北朝鮮の挑発が国連憲章と休戦協定に違反したと規定し、国連安全保障理事会への問題提起や南北交流・経済協力の事実上の全面中断を含めた超強硬措置を検討している。
 李明博(イ・ミョンバク)大統領は同日午前、オーストラリアのラッド首相と行った電話会談で、「天安」沈没について「北朝鮮に断固とした対応措置を取る」と表明し、強力な国際協力を土台に、北朝鮮が過ちを認め、責任ある国際社会の一員に復帰するよう働きかけるべきだと述べた。
 李大統領の発言と関連し、政府高官は「これまでメディアで取り上げられた対北朝鮮制裁措置をすべてテーブルの上に乗せ、検討する。外交、国防、南北関係と関連がある多様な措置が含まれると承知している」と述べた。
 また、李大統領は21日午前に青瓦台(大統領府)で国家安全保障会議(NSC)を開き、「天安」沈没の原因調査結果を踏まえた今後の対北朝鮮制裁措置や国際社会との共同対応を論議する予定だ。
 政府は外交安保関連官庁を中心に実務的な検討作業を進め、来週初めに予定されている李大統領の対国民談話発表後、官庁合同の後続対応措置を発表することも検討している。
 外交通商部は同日、柳明桓(ユ・ミョンファン)長官主宰の「天安」沈没事件対策会議を開き、今後の外交的対応を話し合った。
 同部は、沈没事件が武力行使を禁じた国連憲章第2条第4項と、1953年に連合軍、北朝鮮、中国の間で締結された休戦協定に反するとみて、国連安保理を通じ対北朝鮮制裁を加える方針を固めたと伝えられる。同部は近く、国連安保理議長に書簡を送る形で正式に問題を提起する予定だ。
 また、国連安保理の対応とは別に米国、日本、欧州連合(EU)など友邦とも対応策について集中的な検討を進めている。特に韓米間では、同事件が韓米同盟と連合防衛態勢に重大な脅威となっているとの認識で一致している。26日の韓米外相会談では、軍事・金融・経済分野にわたる2国間のさまざまな対応措置を講じる。
 一方、韓国軍は午後3時30分から緊急の全軍作戦指揮官会議を開き、今後の軍事措置や軍備態勢強化策について話し合う予定だ。
 また、「天安」沈没が北朝鮮の魚雷によるとの調査結果を受け、下半期に黄海で大規模な韓米連合対潜水艦訓練を実施することで米国側と合意したようだ。同訓練は、米国の核潜水艦が参加する可能性が高く、廃船を敵の水上艦と仮定した魚雷発射訓練を行うなど、実戦に近い形で実施されるとみられる。
 統一部も、玄仁沢(ヒョン・インテク)長官主宰で対策会議を開き、南北関係に関する今後の対応措置の検討作業に取り掛かった。
 統一部は、北朝鮮・開城工業団地を除く南北の経済協力と交流を事実上、全面中断する方針を決めたほか、南北貿易と北朝鮮への委託加工の縮小、済州海峡など韓国側海域での北朝鮮船舶の通行遮断、対北朝鮮宣伝戦の再開、政府官庁の対北朝鮮事業保留を検討しているという。ただ、北朝鮮に対する人道的事業は続ける方針だ。



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