軍を視察する金総書記(朝鮮中央通信撮影)=27日、ソウル(聯合ニュース)
軍を視察する金総書記(朝鮮中央通信撮影)=27日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル27日聯合ニュース】韓国海軍哨戒艦「天安」沈没事故と北朝鮮の関連性が疑われるなか、金正日(キム・ジョンイル)総書記が偵察総局の指揮本部を視察していたことが分かった。
 関係当局が27日に伝えたところによると、北朝鮮・朝鮮中央通信は朝鮮人民軍創設記念日「建軍節」の25日、最近金総書記が第586部隊を視察したと報じた。この「第586部隊」は、北朝鮮の対韓国・海外工作とテロの中枢にある人民武力部傘下偵察総局の「海外向け」名称だとされる。
 朝鮮中央テレビが26日に公開した部隊視察の写真でも、金総書記の右に金英哲(キム・ヨンチョル)偵察総局長が拍手をしながら歩く姿がとらえられている。 
 偵察総局は、昨年2月に従来の人民武力部偵察局に朝鮮労働党の「作戦部」(工作員の浸透ルート開拓・テロ担当)と「35号室」(海外の情報収集)を吸収、拡大改編した組織。総政治局、総参謀部とともに、北朝鮮軍部の「3大権力機関」に挙げられる。
 金総書記が偵察総局を訪問したのは今回が初めて。偵察局時代にも、2005年5月に軍人家族の芸術公演で、偵察局芸術小組が出演する舞台を観覧したのが唯一だ。
 特に、「天安」沈没事故への北朝鮮関与を疑う声が大きくなる中、金総書記が軍創立記念日に激励訪問する部隊として偵察総局を選んだ背景に、関心が集まっている。
 偵察総局は先ごろ、黄長ヨプ(ファン・ジャンヨプ)元朝鮮労働党秘書の暗殺計画事件でも注目された。検察の捜査により、当局に逮捕された2人の工作員に暗殺を口頭指示した人物が、同局の金英哲(キム・ヨンチョル)局長だったことが明らかになった。
 金局長は、2006~2007年の南北将官級軍事会談で北朝鮮側の団長を務め、「北方限界線(NLL)は強盗が引いた線」などと発言し、2008年に12月1日に南北陸路通行を制限する「12・1措置」を主導した、北朝鮮軍部を代表する強硬派として知られる。


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