合同調査団による会見のようす=25日、ソウル(聯合ニュース)
合同調査団による会見のようす=25日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル25日聯合ニュース】韓国海軍哨戒艦「天安」の沈没原因を調べている軍・民間合同調査団は25日に国防部内で記者発表を行い、引き揚げた艦首の切断面と内・外部を肉眼で確認した結果、「水中爆発と判断された」と明らかにした。切断面の状態などから、水中での接触爆発より非接触爆発の可能性が高いとした。
 会見した尹徳竜(ユン・ドクヨン)共同調査団長は、船体内・外部には爆発によるすす、熱で溶けたようすなどはまったくなく、攻撃を受けた痕跡もないことから、「非接触爆発」と判断したと説明した。
 艦首部分の弾薬庫や燃料タンクに損傷はなく、電線の状態も良好で、内装材が燃えたようすもなく、内部爆発の可能性はないと判断した。また、船底に引っかき傷などはなく、船体底面に設置された固定型ソナー(音響探知機)も状態が良く、座礁の可能性もないとした。金属疲労による破壊の可能性も、損傷の状態などからないと判断した。

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 「非接触爆発」と判断した証拠としては、船体下部と左側が曲がっていることを指摘した。爆発位置は、タービン室左舷下段水中のいずれかの部分だとした。左舷(艦尾から艦首に向かって左側)から圧力を受けたため、圧力が右に向かい加わり、右側面の損傷が大きいと説明した。
 朴正二(パク・ジョンイ)共同調査団長も、下から船底部分を確認した際、穴が開いた跡はまったくなく、攻撃を受けたような痕跡もなかったと説明。船底部分の状態から、船体の切断は圧力によるものと判断したと強調した。また、艦首は左舷3.2メートル、右舷9.9メートルが失われており、左右の安定器もへこんでいることから、かなりの威力の爆発だったとの見解を示した。
 機雷や魚雷による衝撃の可能性については、「機雷や魚雷などの武器システムが可能だと考えている」と指摘した。その上で、どのような武器システムによる爆発かは、さらに細密に分析し検討する必要があると強調した。
 水中爆発の圧力で船体が破損する「バブルジェット」現象があったかどうかに関しては、尹団長は、一般的に水中爆発が起きれば衝撃波で1~2秒後にバブルジェットが発生するが、爆発点が船底に近いほど初期爆発効果が大きくバブルジェットは小さくなり、反対に爆発点が遠いほどバブルジェットの効果が大きく衝撃波の効果は小さくなると説明。バブルジェット現象がなかった可能性も示唆した。ただ、バブルジェットはさまざまな形で生じ得るもので、水深により異なる様相が生じる可能性があるとみていると述べた。
 これに先立ち、国防部の金泰栄(キム・テヨン)長官は、鄭雲燦(チョン・ウンチャン)首相の国民向け談話発表後に記者団との一問一答で、「天安」沈没原因について、「バブルジェットに最も近かったのではないかと考えているが、その他の方法も調査し検討中」だと述べている。
 調査団は、あらゆる努力を結集し、可能な限り早期に原因を究明すると強調した。
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