講演する黄長ヨプ元朝鮮労働党秘書=31日、ワシントン(聯合ニュース)
講演する黄長ヨプ元朝鮮労働党秘書=31日、ワシントン(聯合ニュース)
【ワシントン31日聯合ニュース】1997年に北朝鮮から亡命した黄長ヨプ(ファン・ジャンヨプ)元朝鮮労働党秘書は31日、訪問先の米ワシントンで行った講演で、北朝鮮で急変事態が起こると主張するのは現実と距離がある分析だとし、中国が支持を続ける限り、北朝鮮の急変事態は起こらないとの見解を示した。
 講演は米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)の招きによるもの。黄氏は、現在北朝鮮には金正日(キム・ジョンイル)総書記に反対するだけの大きな勢力はなく、北朝鮮体制の内部分裂は期待し難いと述べた。
 また、北朝鮮には軍隊、警察など独裁を支持する勢力の人数が一般大衆よりはるかに多いため、多少の変化を大きな変化が起こったかのように考えてはならないとし、北朝鮮内部の変化の可能性は低いと見方を示した。
 黄氏は「北朝鮮政権の命脈を握っているのは中国」とし、同国がもし北朝鮮との同盟関係を断ち切ることになれば、これは北朝鮮にとっては死亡宣告も同様のため、中国を対象とした事業をうまく進めなければならないとした。
 中国が北朝鮮領土に野心があるとする一部の見方については、「それはまったく違う。中国の利害関係は、北朝鮮が自由民主主義化されては困るということ」と強調した。中国・満州地方には80万人の朝鮮族が居住していると前置きした上で、「北朝鮮が自由民主主義化されれば、その影響が鴨緑江や豆満江を越えて中国にまで及び、分裂を招くことを恐れている」と指摘し、これが中国にとって最大の利害関係だと述べた。
 そのため、中国に対し、北朝鮮に中国式の開放を誘導するとともに、個人独裁をなくし、市場経済を導入するよう促すことが望ましいと提案した。
 一方、韓国海軍哨戒艦「天安」沈没事故に北朝鮮が介入した可能性については、「可能性はあるが、可能性だけでは責任を追及することはできない」とし、これに関する情報も証拠もない状態だと話した。



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