金正日総書記が訪中の際に通過すると予想される「中朝友誼橋」=3月28日、丹東(聯合ニュース)
金正日総書記が訪中の際に通過すると予想される「中朝友誼橋」=3月28日、丹東(聯合ニュース)
【ソウル1日聯合ニュース】北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の訪中兆候が、いたるところで見られると伝えられた。
 中国・丹東の情報筋は先月31日、同地の駅周辺施設で28日から北朝鮮の機関員と見られる人物が保安活動を展開しているという話があると伝えた。また、この日は金総書記が訪中の際に通過すると予想される「中朝友誼橋」の鉄道線路上を、中朝関係者10人余りが点検する姿も確認された。普段とは異なり、中国側軍人1人が鉄橋の上部によじ登り作業する姿も目撃されており、金総書記の訪中が間近だという観測に信ぴょう性を与えている。
 丹東で対北朝鮮貿易商を営む一部中国人らの間からは、物資を輸送する貨物列車の運行中断、北朝鮮側と携帯電話での通話が困難になったなどの話が出ている。ある情報筋によると、24日ごろから北朝鮮・新義州から丹東への主要物資輸送が中断され、先週までは可能だった携帯電話のショートメッセージサービスも29日からは不通となっているという。通信保安が大幅に強化されていると伝えた。ある貿易商は「新義州のパートナーと1日中電話がつながらなかった。北朝鮮の電波妨害がひどく携帯電話が信号をとらえることができないためと通信会社が説明した」と話した。
 丹東の別の情報筋は、中朝国境地域で最近、携帯電話を利用した北朝鮮内部情報の流出が頻発したため、北朝鮮保安当局がこれを遮断するため取った措置の可能性があるとしながらも、金総書記の秘密訪中に関連した保安維持目的でもあり得ると分析した。
 ただ、31日夜現在、中朝友誼橋下の道路では車両の通行は自由、丹東駅や市政府庁舎など主要施設も表面的には通常と変わらない平穏な姿を見せている。
 北京駅周辺でも、金総書記訪中の兆候がとらえられている。付近で飲食店を営む情報筋は、30日午前に平壌から北京に到着した国際列車から、体格が良く洗練された服装の北朝鮮住民20人余りが下車し、北朝鮮大使館に向かう姿が目撃されたと伝えた。
 また、金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長がアフリカ諸国歴訪に向け、27日に特別機で北京入りしたが、この航空便に金総書記訪中の先発隊の一部が到着したと伝えられている。中国共産党中央軍事委員会の徐才厚副主席と会談するなどの公開活動を行っている安英己(アン・ヨンギ)少将が率いる北朝鮮軍事代表団の中にも、一部先発隊が含まれているとの見方もある。
 さらに、寧辺をはじめとする豆満江一帯では31日から警備要員が大幅に補強されており、中国居住の北朝鮮籍住民の間では金総書記の訪中間近という説が多く出回っていると、現地住民が伝えている。北朝鮮・満浦に接する中国の集安、桓仁など鴨緑江上流地域でも、丹東と同様、携帯電話が不通だという。このため、金総書記が警護上の理由から、丹東ではなく豆満江または集安、桓仁など第三の地から中国入りするのではとの分析もある。
 一角では、こうした兆候から、金総書記が3~4日以内に中国を訪れるのではとの見方が出ている。



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