【ソウル10日聯合ニュース】重家俊範駐韓日本大使は10日、ソウル市内のホテルで開催された韓国国防研究院(KIDA)主催の国防フォーラムに出席し、6カ国協議で北朝鮮の非核化とともに日本人拉致問題も解決すべきだとの考えを示した。
 重家大使は、日本の北朝鮮に対する基本方針は拉致問題、核問題、ミサイル問題を包括的に解決し、不幸な過去を清算することで早期に国交正常化を図ることだと述べた。特に人権に関する重大事案となる拉致問題の解決に向け、北朝鮮が日朝間合意に基づき実践するのであれば日本も一定の行動を取ると強調した。

 北朝鮮が早期に6カ国協議に復帰し、すでに合意した完全で後戻りできない非核化を実践することが何よりも重要であり、日本は6カ国協議が非常に現実的な枠だと考え、李明博(イ・ミョンバク)大統領が提案した北朝鮮核問題の一括妥結(グランドバーゲン)構想も支持していると述べた。

 北朝鮮が主張する平和協定締結については、非核化から関心を遠ざける問題だとし、否定的な見方を示した。

 重家大使は、韓日併合100年を迎えたことしは韓日関係が非常に重要な年で、未来に向かって両国関係の新たな進展を遂げる年にしたいとし、さまざまな分野での協力強化に向け努力を傾けていかなければならないと述べた。両国がゼロサム的な論議を超え、冷静に分析し、共同作業を行うことで得られる利益がはるかに多く、協力関係を拡大することが両国にとって共通の利益だとの考えを示した。

 韓日間の未来志向的な協力関係に向けては、両国が▼北朝鮮問題における協力▼韓日自由貿易協定(FTA)締結などアジアでの地域協力強化▼政府開発援助(ODA)分野での協力強化――など、関係をさらにグローバル化させるべきだとした。

 日本政府が太平洋戦争中に勤労挺身隊として強制徴用した韓国人女性と遺族に対し、厚生年金の脱退手当として1人当たり99円を支給した問題については、心配な事案であり、日本の法律に基づき国籍に関係なく決定されたことだが、今後注意を傾けながら、このような問題を含めいろいろと考えていきたいとし、韓日関係は歴史的な事実を学んでいくことが重要だと述べた。

 また、バンクーバー冬季五輪での韓国の活躍にも触れ、日本にも良い選手が多いが成果を出せなかったと話した。韓国の迅速な経済回復やアラブ首長国連邦の原子力発電所建設工事受注、五輪での活躍などを機に、日本では韓国から多くのことを学ぶべきではないかとの論議が活発に進められていると紹介した。


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