李大統領は、この精神は国民の民生向上に向け、消耗的な理念論争を止め互いを認め尊重し生産的な実践方法を見出す、中道実用主義の精神でもあると説明した。古い理念の枠に閉ざされては一歩も前に進むことはできず、対立と葛藤(かっとう)で国民を分裂させては先進化の道を歩むことはできないと力説した。
また、「わたしたちは数多くの対立と分裂をむしろ肯定的なエネルギーに昇華させ、国民統合と発展の原動力としてきた」と強調。今、国家百年大計をめぐり激しい論争となっているが、これもまた知恵をもって克服できるはずと固く信じていると述べた。雨降って地固まるというように、ひとつの心となり国運上昇にまい進できるはずだと主張した。
こうした言及は、理念や階層の葛藤を克服し、国民統合を通じ国の先進化目標を達成しようという趣旨と受け止められる。特に、ハンナラ党内で李明博派、朴槿恵(パク・クネ)氏派が世宗市計画修正案の党論採択をめぐり対立している現状を指摘したものではないかとの解釈も出ている。
李大統領はまた、「わたしたちの夢は『心の広い大韓民国』」だと述べた。この夢と希望を北朝鮮の同胞とともに分かち合うことを願うとしながら、南北分断克服と統一への道を開かなければならないと呼びかけた。
その上で、南北の未来を明るく開くには、北朝鮮が韓国を単なる経済協力の対象とする考えを変えなければならないと指摘した。真の和解と協力のためには、まず朝鮮半島の平和維持が必要だと強調し、民族自尊の意識をもち、南北間の懸案を真摯(しんし)な対話で解決しなければならないと述べた。韓国は世界のどの国よりも北朝鮮住民の暮らしに関心と愛情をもっているとしながら、グランドバーゲン(包括的交渉)を誠意をもって話し合う必要があり、また北朝鮮は、行動で国際社会に真正性を示さなければならないと指摘した。
李大統領は、「過去100年、力が支配する『威力の時代』を過ごし、今わたしたちは、3・1運動の先烈が熱望した『道義の時代』を先導に立ち切り開いていると述べた。道義の時代は1人として欠けることなく皆がともに開くもので、海外からの結婚移民者、脱北者、外国人居住者の人権と生活にも一層温かな真心を注がなければならないと強調した
あわせて、バンクーバー冬季五輪で大韓民国の若者が歴史を書き換えたと評価。「韓日強制併合100年を迎え、大韓民国の若者のように過去にとらわれず世界を抱き、人類共栄の新未来を開拓していくべきだ」と呼びかけた。
Copyright 2010(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0