西大門刑務所(資料写真)=(聯合ニュース)
西大門刑務所(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル17日聯合ニュース】日帝時代に独立運動家らを投獄するために建てられた西大門刑務所の復元事業が、韓日併合100年のことしから本格化される。
 ソウル市と西大門区は17日、西大門刑務所復元の第1段階工事に来月着工する予定だと明らかにした。第1段階では、旧西大門刑務所保安課庁舎、炊事場、隔壁場(隔離運動場)、柳寛順(ユ・グァンスン)獄舎、外壁・車両出入口を復元する計画だ。
 工事は、先ごろ設計作業が完了した炊事場の復元から取り掛かる。炊事場内部には鉄釜や炊事道具などを展示し、見学客のための便宜施設も設けられる。
 保安課庁舎は本来れんが造りの建物だったが、ソウル拘置所として使われていた1960年代に建物の色が共産主義を象徴する赤色との理由から外壁で囲まれ、壁が白く塗られた。西大門区が昨年末に外壁撤去工事を終えており、内部を歴史展示館に改装する工事をことし4~5月の間に着工し、8月15日の光復節(植民地支配からの解放記念日)までに完工する計画だ。
 展示館には独立運動史に関する各種資料とともに刑務官の服装や囚人服、刑罰器具、事務用品など刑務所で使われた主な物品が展示される。当時の受刑者の生活像を垣間見ることができる立体映像館も設置される。
 独立運動家の柳寛順が投獄された地下監獄・柳寛順獄舎と、1人用運動場の隔壁場を原形通り復元する工事も年内に着工し、年末までの完工を目指している。
 柳寛順獄舎は1990年代に行われた刑務所敷地発掘調査でその痕跡が発見され、1992年に西大門独立公園のオープンに合わせて復元された。獄舎は見学者が1階から見下ろす構造で、韓国伝統建築様式の保護閣が設置された。しかし、保護閣が刑務所にふさわしくないとの指摘を受けてきたほか、保護閣自体がもともと刑務所に存在していたと誤解する見学者もいたため、保護閣を撤去し、1930年代の資料写真などを基に獄舎を原形通り復元する予定だ。隔壁場は受刑者同士が運動しながら会話できないよう壁で囲まれた扇形の運動場で、年内に復元工事が始まる。
 ソウル市は、2020年までに工場跡の発掘や駐車場建設を内容とする第2段階工事、拘置監復元などの第3段階工事を完了する計画だ。
 西大門刑務所は1908年に京城監獄として新築された韓国初の近代式監獄で、光復以降は1987年までソウル刑務所、ソウル矯導所、ソウル拘置所など刑務施設として利用されたが、西大門独立公園が造成された1992年までに大半が撤去された。
 ソウル市関係者は、韓日併合100年を迎え、苦痛の歴史を証言できる西大門刑務所を復元することで、刑務所を歴史教育の場に生まれ変わらせる計画だと話している。


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