【ワシントン2日聯合ニュース】米国のデニス・ブレア国家情報長官は2日、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記は米国と国際社会から「核保有国」として認められることを模索しているとの判断を示した。米上院情報特別委員会に提出した年次報告書を通じ明らかにした。
 ブレア長官は、北朝鮮がこれまで2つの核装置を実験に使ったとみているとし、北朝鮮が核兵器を生産したかどうかは明確ではないが、核兵器を生産する能力はあると判断していると述べた。
 しかし、米国は北朝鮮を決して核保有国に認めることはできないという政策は固守しており、2007年10月の6カ国協議での合意で、北朝鮮が核物質、技術、ノウハウを移転しないことを再確認したが、核技術の輸出を再開する可能性を依然、警戒していると強調した。
 現時点で北朝鮮が米国との対話を求めているのは、相次いで行った実験を通じて核とミサイルの能力を誇示することで、これまでより有利になった交渉ポジションを最大限活用しようという意図にみえると述べた。
 また、北朝鮮は、韓国との在来型軍事力の差が著しく拡大した上、これを覆すことができるという見通しが薄いとの判断から、北朝鮮政権を狙った外部の攻撃を阻止するため核開発計画に依存しているとの見方を示した。北朝鮮が核開発計画を追求するほかの理由もあるだろうが、在来型戦力のぜい弱な点を正すことが一番の核心となる要素であり、これは金総書記と後継者らにとっては容易に看過できない事案だと指摘した。
 ブレア長官は、朝鮮人民軍の能力は立ち遅れた兵器体系や軍事戦闘システムによる低い生産性、兵士らの体調悪化、訓練の減少、社会インフラ支援への兵力借り出しなどの問題により、制限を受けていると述べた。融通性のないリーダーシップ、腐敗、士気低下、ぜい弱な兵站(へいたん)システム、指揮統制体制の問題点なども、北朝鮮軍の能力と戦闘態勢を圧迫する要因となっているとした。
 北朝鮮の核兵器とミサイルプログラムは東アジアの安保環境に深刻な脅威となっており、北朝鮮がイランとパキスタンを含む数カ国に弾道ミサイルや関連物資を輸出し、シリアの核原子炉建設を支援している事実が2007年に発覚したのは、北朝鮮の核拡散活動の範囲を示すものだと述べた。
 また、北朝鮮が昨年9月にウラン濃縮実験が完成段階に入ったと主張したことについては、「そのような発表の正確な意図は明確ではない」としながらも、米情報当局では、北朝鮮がこれまで追求してきたウラン濃縮能力は兵器製造のためだったと判断していると説明した。

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