【ソウル1日聯合ニュース】韓国と日本の鉄鋼メーカーが、最大市場に台頭しつつあるインドに現地生産基地を設ける準備を本格化している。中国に続く新たな生産拠点としてインドに注目する理由は、インドが豊富な鉱物資源を保有しているだけでなく、自動車産業などインドの経済成長に伴い鉄鋼需要が急速に拡大するとの見通しのためだ。
 鉄鋼業界が1日に明らかにしたところによると、ポスコはインド東部のオリッサ州に、120億ドル(約1兆826億円)を投じ、計1200万トンの生産規模の一環製鉄所をじ完成させるとの目標の下、年内着工を目指しインド政府に多角的に働きかけている。年産400万トンずつ、3期に分け進める予定だ。
 同社はまた、この近くのカンダダール鉄鉱山の探査権に対しても、近くインド政府が承認するものと見込んでいる。このほか、すでにインドの首都ニューデリーと西部のプネー、東部のチェンナイでは、コイル形態の鉄鋼製品を切断し納品する鉄鋼加工センターを運営している。これらはすべて、インドの主要完成車メーカー、マルチ・スズキ、タタ・モーターズ、ジェネラル・モーターズ(GM)など大手への鋼板供給を目的とする。ポスコはさらに、インド西部のマハーラーシュトラ州に自動車用高級素材の溶融亜鉛めっき鋼板ライン(CGL)工場をことし着工、2012年に完工する計画だ。
 ポスコ関係者は、インドの乗用車生産台数は2008年の184万台から2015年には422万台に拡大する見通しだとし、「自動車用の鉄鋼需要も増加し続けるとみて、市場を狙っている」と話す。
 一方、世界市場でポスコと競合する新日本製鉄も先ごろ、タタグループ系列のタタ・スチールとの間で年間60万トンの自動車用冷延鋼板を生産・販売する合弁会社を2012年までに設立すると発表している。日本企業としては、JFEスチールも昨年11月、インドのJSWスチールと自動車用鉄鋼製品生産の協力など包括提携で合意し、住友金属工業はインドのブーシャンと合弁会社設立を検討中だ。
 こうした動きは、インド自動車市場の拡大のほか、鉄鋼業界の得意先でインドに生産工場を持つ韓国の現代自動車、日本のトヨタ自動車、本田技研工業などが、鉄鋼材料をインドの外から輸入するよりはコスト削減のためインド国内で調達しようと考えていることと無関係ではない。
 産業研究院の金主漢(キム・ジュハン)氏は、長期的な鉄鋼需要増加を狙い、韓国と日本の鉄鋼メーカーがインドの豊富な鉄鉱石を確保しようと進出をさらに加速するとの見方を示した。勝負の分かれ目は、いかに原料を安く確保し、競争力の高い製品で販路を開拓できるかだと述べた。

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