【ソウル27日聯合ニュース】北朝鮮・朝鮮人民軍が黄海の北方境界線(NLL)北側の海上に砲撃を行い、これに対し韓国軍が警告射撃を加え、南北間の緊張が極度に高まっている。
 合同参謀本部関係者は同日、朝鮮人民軍が午前9時から10時16分にかけて、仁川・白リョン島と大青島に近いNLL海上に砲弾30数発を発射し、韓国軍が警告射撃で応じたと説明した。弾着地点は、北朝鮮が前日に設定した2か所の航行禁止区域内で、NLLより北側約1.5マイルと推定されると述べた。
 別の関係者は「北朝鮮が午後3時25分から午前と同一地点に向け再び数十発の砲弾を発射したことがとらえられた」と明らかにした。
 北朝鮮が午前に砲撃した際、北方境界線(NLL)北側の海上ではいくつもの水柱が立ち、午後も水柱が観測され、最低60発余りから最大90発余りが発射されたと推定される。
 砲撃当時、操業中だった漁船はなく、西海5島(仁川の白リョン島、大青島、小青島、延坪島、牛島)を行き来する旅客船は通常通り運航した。外交安保当局関係者は「北朝鮮の砲撃による被害はなく、今回の事態は交戦ではない。双方が戦闘機などほかの兵器を動員しなかった」と説明した。
 北朝鮮がNLLに近い海上に向け砲撃したのは今回が初めてで、軍当局は北朝鮮が射程距離12~27メートルの海岸砲を発射した可能性が高いとみている。
 北朝鮮は、黄海道の長山串、甕津半島、康リョン半島の海岸をはじめ、黄海沿岸に海岸砲900門余りを配置している。白リョン島、延坪島、大青島や韓国海軍艦艇が射程圏に入る。
 北朝鮮が海岸砲と地対艦ミサイルを同時多発的に発射すれば白リョン島や延坪島近隣の水域で任務にあたる韓国海軍艦艇が被害を受けかねない。軍関係者は、朝鮮人民軍の海岸砲部隊の動きを引き続き注視していると話している。

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