丁世鉉元統一部長官=(聯合ニュース)
丁世鉉元統一部長官=(聯合ニュース)
【ソウル21日聯合ニュース】丁世鉉(チョン・セヒョン)元統一部長官は21日、韓国政府が、平和協定を切り札に非核化を導き出すという米政府の政策を読み取り、足並みをそろえる方向へ立場を変えなければ、通米封南(米国と通じ韓国を封じる)の枠に閉じ込められかねないと警告した。
 ソウルで開催された南北物流フォーラム主催の講演会で、韓国政府が非核化の先決を強調しながら米国をけん制すれば、米国は韓国を取り残す可能性もあるとした上で、このように述べた。
 丁元長官は、北朝鮮が新年共同社説で人民生活の向上を掲げ、人民に白いご飯と肉のスープを食べさせなければならないという故金日成(キム・イルソン)主席の遺訓に触れながら希望を与えたのは、外部からの支援が行なわれるとみているためであり、事前に米朝間でかなりの調整が図られた可能性が高いと分析した。
 北朝鮮が前日に朝鮮大豊国際投資グループを対外窓口とし、国家開発銀行を設立する方針を明らかにしたことについても、「米朝関係が改善されていなければ不可能なこと」とし、韓国政府は目をそらしたいだろうが、米朝間の対話が相当進展しているのではないかと思われると述べた。
 丁元長官はまた、クリントン米国務長官が就任直後の昨年2月に米アジアソサエティーでの演説で「永久的平和を模索できる」と発言するなど、数回にわたり米朝関係正常化に触れていることや、オバマ米大統領が昨年訪韓した際にボズワース特別代表(北朝鮮担当)の訪朝計画を直接発表したことなどは、米国が平和協定を切り札に非核化を導き出すという政策を立てたためだと強調した。

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