【ソウル7日聯合ニュース】サムスン電子が忠清道に建設予定の世宗市に、バイオシミラー(後発生物製剤)や液晶ディスプレー(LCD)分野の事業を複合的に移転する案を検討していることが6日、明らかになった。同社がこのほど政府に対し、5年間で5000億ウォン(約408億円)規模のバイオシミラー事業を世宗市で行う案を打診したところ、政府はこれでは投資と雇用効果が小さいと判断し、バイオシミラーだけでなくLCD分野の事業も一緒に移す案をサムスン電子と協議中のもようだ。
 与党側関係者も同日、「忠清道民が牙山・湯井のLCD団地のような部門が世宗市に入ることを希望していると聞いている」と伝えた。LCD分野の生産ラインは、新製品開発のたびに工場を新築するほどのアップグレードを要し、兆ウォン単位の投資が必要になる。世宗市で新規分野事業を進めたいサムスン電子と、投資・雇用効果の極大化を狙う政府の利害関係がかみあったと分析される。
 また、李明博(イ・ミョンバク)大統領は6日に鄭雲燦(チョン・ウンチャン)首相から世宗市建設修正案の報告を受けた後、5項目を指示したが、そのうちの「新規事業を誘致」「雇用創出事業を中心」とも関連があるとみられる。
 青瓦台(大統領府)によると、修正案の報告を受けた李大統領は、「絶対に無理をしたり、欲張ってはならない」と注文したという。政府が修正案を講じてもこれを説得させるという段階が残っており、国民の理解と地元住民の信頼が得られ、現実的に可能でなければならないと述べ、世宗市問題を枝葉ではなく大きくとらえるよう求めた。

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