インタビューに答える柳明桓長官=6日、ソウル(聯合ニュース)
インタビューに答える柳明桓長官=6日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル6日聯合ニュース】外交通商部の柳明桓(ユ・ミョンファン)長官は、北朝鮮が濃縮ウランを秘密裏に開発しているという疑いに関し、「確実なことは、北朝鮮が濃縮ウラン開発を相当早くから始めたということ」と述べ、1994年の米朝枠組み合意直後、遅くとも1996年から開発を始めたとみられるとした。新年を迎え6日、聯合ニュースのインタビューに答えた。
 北朝鮮の濃縮ウラン開発疑惑をめぐってはさまざまな憶測があるが、1990年代末あるいは2000年代初めに開発着手と推定されてきた北朝鮮のウラン濃縮能力と兵器化が予想より強力な水準である可能性を、韓国政府高官が公に示唆したものとなる。
 柳長官はしかし、現在の水準がどの段階で、濃縮ウランをどの程度保有しているか、どれほどの核兵器があるかなどの情報は分からないと述べた。ただ、関係国の間で情報共有はしていると強調した。さらに、「濃縮ウラン問題は新たな課題で、北朝鮮が実験に成功したと主張しているだけに、(6カ国協議が再開されれば)当然、議題に含められなければならない」と述べた。
 柳長官は、北朝鮮核問題の解決に向け韓国が提案している「グランドバーゲン(一括妥結案)」についても説明した。これは、米朝枠組み合意から15年の間、結果的に北朝鮮に時間を稼がせたにすぎないという見方がある状況で出た案だとし、簡単なことから進めて難しいことを後回しにしてはならないと指摘した。グランドバーゲンについて、「基本構想と概略的なシークエンシングに対し、われわれなりの腹案ができている。まず、(6カ国協議参加国のうち)中国、ロシアと協議した。今後5カ国で協議しながら少しずつ修正し、6カ国協議が開かれれば共通の案を提示できるよう準備していく」と説明した。同案を含め、北朝鮮への経済支援構想はまだ手始めの段階だという。5カ国間協議を通じ、国際的な金融支援を提供する案を検討しているが、具体的には進んでいないとした。
 北朝鮮の6カ国協議復帰の見通しとしては、個人的には早期に戻るものと予想するが、具体的な時期の言及には慎重にならざるを得ないと答えた。ただ、北朝鮮としては協議に復帰できる体面を確保したと考えており、中朝がこの先、さらに積極的に接触していくべきだと指摘した。
 一方、韓日関係について、天皇の訪韓問題は日本側の事情もあるため、ことし実現できるか断言できないとした。訪韓も重要だが、どのような姿で訪韓するかがより重要との考えを示した。独島(日本名:竹島)問題に対しては、「われわれの独島領有権を損なおうとする試みには、断固として厳重に対処していく」と強調した。

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