【ソウル27日聯合ニュース】商業用原子炉を初めて輸出することになった韓国の原子力技術は、運営の安定性が最大のメリットだというのが、専門家らの一致した見解だ。 原子力発電は一度事故が発生すれば大災害につながるため、原子炉の寿命とされる30~50年間、ほぼ無事故で運転される必要がある。先進国は原発事業が1990年代に入り停滞期を迎えると、原発新設を事実上中断したが、韓国は年1基のペースで原子炉をつくり運営ノウハウを蓄積し、後発国ながら先進国を退けるほどの決定的な競争力を備えたとの評価だ。 今回、アラブ首長国連邦(UAE)への輸出契約が結ばれた韓国製の次世代原子炉・APR1400の出力は1基あたり140万キロワットで、UAEの現在の電力消費量の1割近くにあたる。 電力インフラとして、原発の無事故運転は国家運営の安定性とも直結する。韓国原子力学会会長を務める朴君哲(パク・クンチョル)ソウル大学教授は「UAEは産油国で、入札価格よりも、向こう数十年間安定して電力を供給できる韓国の能力により高い点数をつけたようだ」と評した。韓国は1978年の古里1号機の運転開始以来、他の追従を許さぬ原発運営の実力を有しているとした。 国内の原子炉運転状況をみると、事故または事故の兆候で1年間に運転が中止された回数は、1980年代半ばまで1基あたり平均5件以上だったのが1988年以降は1件以下に下がり、2003年以降は0.4~0.6件、昨年は0.35件となっている。米国(1.1~1.4件)、フランス(1.8~3.2件)、カナダ(1.1~3.1件)より優秀だ。また、原発設備利用率は昨年93.3%で、米国(89.9%)とフランス(76.1%)はもちろん、世界平均(79.4%)も大きく上回る。 APR1400の建設単価が1キロワット当たり2300ドルと、入札で競り合った日米やフランスの企業連合よりも安価な上、工期もほかより半年以上短い52カ月だった点も、受注成功の一因と分析された。 一方で、学会と業界からは原子力関連の高級人材の不足を憂慮する声も上がっている。1990年代の原発停滞期を経て、まず大学から、他分野への離脱傾向が現れ、国内の専門家養成基盤は根本からゆらいでいるとするもの。原子力が韓国の輸出産業として成長するには、専門人材の体系的な拡充策が急務と指摘されている。ある専門家は、米国など先進国で原発に再び目が向けられ、高い報酬を条件に韓国の高級人材を引き抜く動きも出始めており、人材難はさらに深刻になるとの見通しを示した。 また、現在国内では原子炉8基を建設中で、政府はさらに約10基を新設したい考えだが、原子炉の海外輸出を並行した場合、国内の建設計画は円滑に進まないという懸念もある。 japanese@yna.co.kr
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