検察を後にする韓元首相=18日、ソウル(聯合ニュース)
検察を後にする韓元首相=18日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル19日聯合ニュース】ソウル中央地検は18日、韓明淑(ハン・ミョンスク)元首相を特定犯罪加重処罰法上の収賄容疑で逮捕し、約8時間にわたり取り調べを行った後、同日午後9時30分ごろ帰宅させた。
 首相経験者が選挙法や政治資金法違反容疑などで検察に出頭し、調べを受けたことはあるが、逮捕状が発布され、連行されたのは韓元首相が初めて。
 韓元首相は2006年12月にソウル・三清洞の首相公館で郭泳旭(クァク・ヨンウク)元大韓通運社長(拘束・起訴済み)から大韓石炭公社の社長人事で便宜を図るよう依頼を受け、5万ドル(約450万円)を受けとった疑いがもたれている。その後、郭元社長は2007年に韓国電力公社系列の韓国南東発電社長に任命されている。
 検察は韓元首相に対し、郭元社長からわいろを受け取ったかどうかを集中的に調べた。特に、郭元社長が自身の経歴とは全く関係のない公営企業の社長に就くことができた過程における全般的な疑惑について強く追及した。しかし、韓元首相は黙秘権を行使し、検察の審問には一切応じなかった。
 検察は、韓元首相が正当な出頭要求を拒否したために逮捕されたが、首相を務めた政治家で、前政権の中核関係者という点などを考慮し、取り調べ後に帰宅させた。来週中にも在宅のまま起訴する方針だ。


 一方、韓元首相は取り調べ終了後、ソウル・麻浦の盧武鉉財団で記者会見し、「検察が政治的目的で、でっちあげ捜査を行っていることを確認してきた。今後も真実を究明するためすべてをかけて戦う」と述べた。
 また、民主党など野党も検察の捜査が「政治操作」であることが明らかになったとし、今後の法廷での攻防に備え本格的な準備に乗り出した。
 民主党の盧英敏(ノ・ヨンミン)報道官は「検察がきちんとした証拠が一つもないまま、郭元社長の二転三転している供述を頼りに、韓元首相の被疑事実を公表し、人格殺人に近い冒涜(ぼうとく)を行ったことが確認された」と述べた。
 韓元首相側は今後も検察の調査には応じない立場を固守し、黙秘権を行使する方針だ。

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